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フランス革命で処刑されたマリーアントワネットのホロスコープと人生を眺めてみました。
〔目次〕
・マリー・アントワネット展を本人はどう見るのだろう
・大衆の恐ろしさと、マリーのホロスコープ
・ホロスコープ解釈(アスペクト等)
・サビアンで深層解釈
マリー・アントワネット展を本人はどう見るのだろう
六本木でマリー・アントワネット展が開催されるとのことで、さっき紹介の番組を眺めていたのですが。
重いね。画面を通しても重さが伝わってくる。
きらびやかなドレスや調度品の裏に哀しみが渦巻いている気がしました。
怨念があるとすればそれはマリー自身の怨念ではなくて、おそらく同時代の人々の意識なのだろうけど。
だからと言ってこういう展示会へ行って悪い運気をもらってくるとか、そういうことはないと思うので(自分をしっかり持つ人なら大丈夫)、興味のある人はぜひ行ってみてください。貴重な機会です。
⇒マリー・アントワネット展
私がマリー・アントワネット展を眺めていて思ったのは、もし本人が生まれ変わって見たらどんな気持ちになるのだろうということでした。
処刑された人などは、前世を思い出すことは本当に辛いでしょう。
きらびやかなドレスを眺めることさえ辛いと思う。
本人が間違ってこんな展示会へ行ってしまったり、ヴェルサイユ宮殿へ行ったりしたらきっと歩けなくなってしまうのではないか。
ところで何故か「有名人は絶対に生まれ変わらない」と主張する人が多いのだけど(松村潔氏とか)、そんなことは絶対にありません。
このクラスの人ならけっこう何度も生まれ変わっています。
何故なら、有名人でも輪廻を卒業するほど魂が磨かれているわけではないのでね。
たかだか人間界ごときで一瞬だけ有名になったくらいで卒業できるわけがない。
魂が地上の輪廻から卒業できるかどうかは純粋にその魂の修行度にかかっています、人間界での知名度など全く関係ありません。
私のところにも前世で高い地位にいたと語る人がメールを送って来られますが、その記憶はリアルかつ壮絶で悲惨なものが多く、ホロスコープと照らし合わせて見ても嘘とは思えません。また語ることで本人には何らの利益も得られませんので、嘘をつく理由が一切ないと言えます。
とは言えマンガか何かのイメージしかないのに、
「私、マリー・アントワネットの生まれ変わりなの~♪」
と嬉しげに吹聴している人はまず嘘だと思って間違いないでしょう。
もし本当にマリー・アントワネットの生まれ変わりなら、現実のイメージしかないわけだし、それはかなり恐ろしく辛い思い出のはずです。とても楽しい思い出として吹聴できるものではないはずです。
汚い表現ですが、もし現実の転生記憶ならリアルに吐き気を催します。それだけ辛いことを言っておきます。
関連記事: 有名人の生まれ変わりが空想や「コード」である場合【診断チェック】
大衆の恐ろしさと、マリーのホロスコープ
それにしてもマリー・アントワネットが処刑される直前を描いた絵を見ると、大衆の恐ろしさを感じます。
イコール人間の恐ろしさです。
周囲に集まる人々は彼女に掴みかかり、寄ってたかってなぶり殺しにしかねない、そんな雰囲気がある。
結果、ギロチンでしたが「寄ってたかってなぶり殺しにした」ことには変わりはないわけで、人間にはそういう性質があるのだと改めて痛感させられます。
彼女は、ほとんど誹謗中傷で殺されてしまったようなものですね。
「パンがないならケーキ(お菓子)を食べればいいじゃない?」
という、彼女が言ったとされる言葉も嘘らしい。中傷記事で書かれただけのものだとか。
(「半額の小麦を使え」という意味だとの話もあるけど、これはこれで反感買いますよね)
今で言えば文春がタレントの嘘記事を書いて、鵜呑みにした人々によってネットが荒れる、というような感じ。現代もそうだが、派手な生活を送っている女性は嫉妬を浴びやすく誹謗中傷の的になりやすいようです。
本当に同情を禁じ得ない。
それで、マリー・アントワネットは実際どういう人だったのだろうと気になり、ホロスコープを見てみることにしました。
生年月日くらいしか分からないかなと思ったのだが、大体の出生時間まで伝えられているようです。さすが西洋。
(おそらく大勢のプロ占星術師が調べ抜いた結果なので、限りなく正解に近いのではないかと思う)
出生日時/ 1755年11月2日 19:30
場所/ オーストリア ウィーン
※出生時間は19:23と書かれている本もあるようです
多少誤差があると思いますが参考までに画像を貼っておきます。
(ハウス手法によってハウスに入る惑星が変わります、あまりこだわり過ぎませんように)
アスペクト
まず、トラインの多さが目を引きますね!
オーブ広めにするとこれだけのグランド・トラインが描かれます。過剰とも言えます。
私が最近感じているのは、二つ以上重なるグランド・トラインは注意を要するということです。
グランド・トラインは間違いなく吉相であり、これを持つ人は著名人になりやすい。実際マリー・アントワネットも生来の幸運に恵まれ王家に嫁ぎました。
しかし「歯止めがきかない」というのはこの座相の重要な側面です。
良いほうに向かえば幸運が止まりません。自分でもコントロール不能なくらいどんどん有名になっていったり、限りない富が舞い込んだりするのですが、ひとたび悪いほうへ運命が動き出すとこれも止められない。
ブレーキを持たないレーシングカーのようなもので、自滅するまで走り続ける可能性があります。
彼女の人生の結末を見ると、このグランド・トラインが悪いほうへ働いたのだとも言えます。
ホロスコープ解釈(アスペクト等)
では、どうしてそうなったのか?
座相に出るのはあくまでも「運命の流れの性質」で、これだけで何か結末が確定するものではありません。
運命をスタートさせ流れに乗せるのは他の要素、本人の資質・持って生まれた計画によります。
まずベースにある性格はASC、蟹座です。
優しく愛情豊かな人で、家庭を大切にします。子供がいれば愛情の注ぎ方は人一倍です。
蟹座そのままのイメージで実際に子だくさんだった彼女は、たぶん母親としては最高だったでしょう。
ただ感情優先の人なので、全ての行動が感情に基づくところがあります。
全体に見ても水の要素が強い人だから、情が強く流されがちで、「好きになったら命懸け」なところはあったと思います。
グランドトラインがこの水の要素で作られていることも大きなポイントです。しかもこれが蠍座の太陽を含み、天王星と組みますから、感情が命取りとなることは避けられなかったかもしれません。
(これは後から考えれば、なのですが、実際このホロスコープを与えられたら漏れなく占星術師はそうアドバイスすると思います)
それから太陽と金星が合であることもポイントです。
この合を持つ人は富と幸運に恵まれ、多くの人を魅了して愛情を注がれます。
いわゆる、「キラキラした」人生を送ることが約束されています。これがグランド・トラインの一角を占めるわけですから、本人が嫌だと言っても「キラキラな日々」から逃れることはできません。
ベースにある蟹座気質のせいか、彼女は本心では子供たちとの穏やかな生活を望んでいたと伝えられていますが、このホロスコープでは始めから難しかったと言えます。
さらに言えば、この太陽・金星(および水星)が第5室にあります。
遊び心が高まっていく星の配置であり、おしゃべりも達者で、社交界で生きていくには天賦の才がある人です。
この人が王家にいればそれは過剰に人気を集めるでしょう。なんとも気の毒な……。
結婚生活は穏やかとは言えませんね。
第7室に土星が入り、これが第1室の火星と拮抗している。月とはスクエア。
パートナーは真面目だが退屈な人となります。不満と喧嘩の絶えない関係になることが考えられます。(ビジネス上のパートナーの場合、相手に裏切られることも考えられる。または裏切る)
占星術師のアドバイスとしては
「真面目な夫との結婚ですがそれも試練と思って、なるべく不満を溜めないようにしてください」
としか言えないのですが、なかなか実行は難しいと思われます。
おそらく、彼女の心は常に孤独に満ちていたのではないでしょうか。
「生涯の伴侶」を表す第7室の星とうまくいかないことは、人間にとって最大級の孤独感をもたらします。
このことも同情を禁じ得ません。
(比べてしまうのも何ですが、私は第7室に太陽を持ちます。生涯の伴侶に恵まれる運勢です。伴侶がいるからどのような辛いことがあっても耐えられるのです。その代わり伴侶を失うことは人生を失うに等しい意味を持ちますが)
天王星カルミネート、ということも特筆すべき点です。
革命との接点が運命づけられています。
これは本人が革新的才能により時代へ変化をもたらすとも読めますし、人生全体に「革命」が影響を与えると読むこともできます。
(なお当時発見されていない惑星について影響はないと考える人もいますが、少なくとも現在の占星術で十大惑星と捉えられる星については古代から影響力があったようです)
サビアンで深層解釈
きりがないので細部を読むのは終了して、締め括りにざっくりサビアンを見てみましょう。
翻訳文は松村潔による。
ASC 蟹座5度 「列車に破壊された自動車」
MC 魚座4度 「狭い半島での交通混雑」
DSC 山羊座5度 「カヌーを漕ぎ戦争の踊りを踊っているインディアン」
太陽 蠍座11度 「救助される溺れた男」
天王星 魚座12度 「新参者たちの試験」
※出生時間23分の場合、
ASC 蟹座3度 「毛深い鹿を先導する毛皮に包まれた男」
MC 魚座3度 「化石化された森」
DSC 山羊座 「成長と理解に対して受容的な人間の魂」
30分説のほうが正しい印象
これを見る限りではあのような悲劇的結末はイメージされません。
強いて言えば、ASC(魂の本質)が「破壊された自動車」ということで、自滅しがちなイメージとして現実と合致しているでしょうか。
あとはカルミネートしている天王星の「新参者たちの試験」、どこまでも自由であるため反動主義と判定されてしまう、とか。
全体に、不思議と本人が革命家であるようなイメージが漂います。
それは天王星カルミネートとも符合します。
このホロスコープを与えられた限りでは、「派手な革命家さん」と読んでしまうかもしれません。
たとえばDSCの「インディアン」とは虐げられる少数派、つまり革命家のシンボルです。つまり高次の視点で見れば彼女は革命の協力者だったと言うこともできます。(なんと!)
太陽の「救助される溺れた男」のシンボルも不思議です。
地上限定で見れば彼女は処刑されたのですから、とうてい「救助された」とは言えないのですが。もしかしたら、死の直後に天使たち(高次霊たち)に救助されたのかもしれません。
何故ならば彼女はこのために生まれ、革命の仲間として劇を演じたに過ぎないから……。
だとすれば。
処刑した相手と彼女とは、魂レベルでは仲間だったとも考えられます。
確かに歴史上、マリー・アントワネットが処刑されることで革命は果たされました。
ここから世界は大きく方向転換し、「民主主義」が玉座を占めることになるのです。
マリー・アントワネットは魂の仲間たちと共謀して重要な役回りを演じ、時代を方向転換させたのかもしれません。
彼女は人類の歴史を変えるために身を捧げたのか……。
そう考えると涙が出て来ますが、多少なりとも救われる想いがします。
この人生の後の転生で、マリー・アントワネットはご褒美としての穏やかな人生を送ったのではないでしょうか。愛する人とささやかな家庭を持ち、子供たちに恵まれて優しさに包まれて過ごすような。
自らを犠牲にしようと生まれて来る魂たちの志は、想像を絶します。
地上視点では分からないことが多くありますね。
高次の世界で計画されることは人間の思考では追いつきません。
だからこそ簡単に「幸・不幸」を決めつけてはいけないのだと思います。