ドラゴンヘッドを読む(6)実占補足 月とドラゴンヘッド、読み方の違い



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ここまで長々とドラゴンヘッド&テイルについて考えてきました。
鑑定データをベースとして、「現代西洋占星術での読み方はどうやら間違っているらしい」というお話をしてきたのですが、読み方はともかくドラゴンヘッド&テイルが過去世に関わる感受点であることは確かなようです。

では古来、「前世を表す」感受点だと言われており、当サイトでも以前から「前世である」と主張してきた月は何であるのか。
“ドラゴンヘッドと月、どちらが私の前世? いったい、どちらを見ればいいの?”
そう疑問に思われた方は多いと思います。
疑問を解くためこのページでは月を見る場合と、ドラゴンヘッドを見る場合の読み方の違いについてご説明していきます。


前世と過去世は、イコールとは限らない

まず知っていただきたいのは、「前世」と「過去世」は完全に同じ意味の言葉ではないということです。
魂はたった一回きり転生するわけではありません。どなたの魂も膨大な数の転生を繰り返しています。
その数ある転生のなかで、一つ前の転生だけを「前世」と呼びます
前世を含む全ての転生の総称が、「過去世」です。
(この用語の使い方はあくまでも当サイト上の定義なのですが、一般的にもこう表現すれば分かりやすいはずです)

そのため人によって、転生記憶は一つ前の「前世」であったり、何回前か分からない遥か昔の「過去世」であったりします。
この点、必ず頭に入れておいてください。
「前世」と「過去世」の概念をごちゃごちゃに考えると混乱してしまい、ホロスコープのリーディングも正しく行うことができないでしょう。

※時間について: 魂の世界に時間はないので、この地上世界の時系列で「過去」「未来」が決まるとは限りません。地上における未来の人生が「過去世」である場合もあると思います。または、「過去世」と「今世」が同時に生まれ、同時代を生きていることもあり得ます。ただその魂の辿ってきた道筋として、カルマのきっかけに近いほうの転生を「過去世」、結果に近いほうの転生を「今世」または「来世」と呼ぶことができます。


月は一つ前の過去世である

魂の辿ってきた道筋のなかで、今世に最も近い「前」の転生が「前世」。
この前世で送った人生が、どうやら出生ホロスコープ上の月という感受点に表現されているようです。
⇒月(≒宿)で前世を占うページはこちら

当サイトで
「月が一つ前の過去世を表している」
と主張しているのは、筆者自身の裏付けがあるから。
筆者は確実に一つ前だという認識のある記憶を持っており、これが月および宿解釈と驚異的に合致していた。
しかもその解釈が、自分の今世の幼少期をもほぼ正確に当てていたので、月が前世を表しているという考えに間違いないと思われました。

つまりたった一件のデータで述べているだけなのですが、鑑定データ上、他の方々も宿(≒月サイン)解釈と今世幼少期の性格は一致することが裏付けられています。
※根本的に選択する暦が間違っていたり、宿計算上の誤差がある人は除きます。参考⇒宿曜占星術が当たらない人へ

このことから、やはり月が前世を表していると考えて間違いないと思われます。
これは理論上の話です。
転生とは別人に変身することではなく、投げたボールがそのまま転がり続けるように同じ流れに乗って再び生まれるだけのことです(前世の地位や財産などの物質的な持ち物は失いますが)。「死ねば人生リセットできる。性格が激変して素晴らしい人格になれる」などと夢見ている人が多いのですが、それは転生について重大な勘違いをしています。残念ながら、輪廻転生も地上人生とルールは同じ。自分で努力もしないのに、ただ死ぬだけでスーパーマンに変身できる、などという都合の良いことはありません。
したがって月が幼少期を表しているなら、それは前世晩年の生き方が投影されていると考えるのが妥当なわけです。


ドラゴンヘッドは今世と対応する過去世を表す

いっぽうドラゴンヘッドは一つ前とは限りません。
たくさんある過去世のうち、今世と対応する重要な過去世を示しているようです。
前ページで書いた通り、ヘッドはカルマ原因となった過去世。テイルはカルマ解消のために今世で行うべきこと。ネイタルホロスコープには、ヘッド&テイルで債務原因と支払い方法がセットで表されているということになります。親切ですね。

実は「前世の記憶を持っている」と仰る方の多くが、一つ前ではなくもっと昔の過去世を思い出しています。
何故なら、今世と対応する過去世の記憶を思い出さなければ無意味だからです。
多くの方にとって今と対応する転生は前世ではなく、さらに昔の過去世です。魂は一つのカルマについて、何度も繰り返し生まれ変わって解消しています。これは時系列に順番通り解消されていくのではなく、その人生テーマに合ったカルマが提示されることになります。だから今の人生カルマに対応する過去世は、予想外に離れた過去であることがほとんどです。
だから当サイトで月(≒宿)の解釈を読んでも、ご自分の過去世記憶と完全に合わないと感じられる方がいるはずと思います。
そのような方の場合は、ドラゴンヘッドで読んだほうが記憶と照合しやすくなるはずです。

ちなみに今世と対になる過去世の、具体的な出来事はドラゴンヘッドのサビアンシンボルで読むことが可能です。
一度ごとの度数で解釈できるサビアンシンボルを読むと、短文で的確に過去世の出来事が表現されていることに驚かされます。
過去世の記憶を持つ人はシンボルの詩文だけで「ああ、これはあのことだ」と分かりますから、背筋の寒さを覚えることでしょう。
(ただし詩文は隠喩ですから、記憶のない人が詩文から具体的な出来事を推測するのは、なかなか難しいかもしれません)

これと違ってドラゴンヘッドのサイン(星座)解釈は大雑把なもの。
だから該当の過去世だけではなく、前世を含む他の過去世についても当てはまる箇所が多いはず。
このことはたいていの魂が、全ての転生で似たような癖を持ち越し、似たような失敗を繰り返していることを意味しています。
たとえば私もそうです。
ドラゴンヘッドで表されているカルマは遥か過去に原因があるのですが、サイン解釈に表れている戒めは、一つ前の人生にも当てはまります。長いこと自分の魂の個性は変わっていないし、同じ失敗を繰り返しているのだなと分かります。反省しきりです。


記憶がない方のリーディング

以上の「記憶がある者」のデータを当てはめていけば、記憶がない方の過去世リーディングもある程度実現できるはず。

まとめておくと、

●宿、月 → 前世と今世の幼少期
●ドラゴンヘッドのサビアンシンボル → 今世と対応する過去世。カルマの原因となった具体的な出来事
●ドラゴンヘッドのサイン解釈 → 今世でも引きずっているかもしれない魂の癖。改善方法はテイルのサイン解釈を参考にすること

となります。

転生記憶がなくても、たいていの人に宿(≒月)の解釈は役立つでしょう。幼少期から持つ性格の欠点診断や改善策として。
また、ヘッドのサイン解釈は無意識的に痛いポイントとなるはずです。ヘッドへ向かうと同じ失敗を繰り返すことになりますので、地位や名誉を得ても魂としては不幸になります。テイルのほうへ向かえば欠点を補うことができ、バランスの取れた人生となります。
もしヘッドのサイン解釈にピンと来ず、「テイルサインのほうが今の自分に近い」と感じる方がいるなら、その方は既に順調にカルマ解消のための人生を送られている最中なのだと言えます。つまり、その方の人生の方向性は間違っていないことになります。ただしテイルのほうへ力を注ぎ過ぎている場合は再びバランスが崩れてしまいますから、程々にするようアドバイスが必要かと思います。

具体例

以上の考えを導き出した例として、筆者のホロスコープ情報と記憶をご提供しています。筆者についてご存知の方はこちらの記事をどうぞ。
⇒プライベートブログの記事 『前世、月とドラゴンヘッドへの表れ』

吉野圭 著 https://astrology.kslabo.work/

ドラゴンヘッドを読む(5)実占編 ヘッドは「納品書」、テイルは「請求書」



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では、いよいよ実占です。
前ページまでの推測と体験に基づき、過去世リーディング+今世の生き方指南としてのドラゴンヘッド&テイルの読み方をご紹介していきたいと思います。
なおこのページでは便宜上、断定形で書きますのでご了承ください。

ドラゴンヘッドは「納品書」、テイルは「請求書」と読む

夢のない喩えで申し訳ないですが、現代感覚で分かりやすくするためにこう表現してみることにしました。

想像してください。
あなたは通信販売で、カード払いにて何かを購入しました。
しばらくしてあなたの元へ届けられるのは品物の入ったボックスです。
このボックスの中に入っているのは当然ながら、
・注文した品物
・品物の名称、料金、個数などが書かれた用紙「納品書」
(カード払いしたため領収書は銀行の明細に代えます、と書かれているか、納品書と兼)
になります。

さて、翌月以降の支払い月になるとカード会社から「請求書」が送られてきます。
このタイムラグが嫌なものです。忘れた頃に請求書が届くので、どきっとする人もいるはず。
カードで細かな日用品を購入する方は、その月に何を購入したか、うろ覚えだと思います。実際に買った品物の料金や購入した店などは、請求書に該当する月の納品書(または明細書)を見て確認するはずです。

――これを人生に当てはめますと、

納品書が ドラゴンヘッド 
です。あなたが過去に発注して受け取った品物。そして

請求書が ドラゴンテイル
です。あなたが過去に購入したものの支払い料金と支払法(振込先等)が書かれています。

一気に夢がなくなりますね?(笑)
ごめんなさい。でも、これが正しい解釈だし、輪廻転生の現実です。
輪廻転生は上の日常的な生活行動を拡大したようなもので、何も神秘的なファンタジーなどはありません。現代人は魂を否定しているために、輪廻転生が空想世界のきらびやかなファンタジーに思えるだけです。(他記事で書きますが、強く魂を否定している人のほうがファンタジーにとり憑かれやすく、危険なのです)
私がいつも「生まれ変わりは甘いファンタジーなどではない。夢から醒めてください」と言うのはこういう意味です。

インド占星術との照らし合わせ

前ページまでで説明した通り、インド占星術ではラーフ(ドラゴンヘッド)を「恵み」と解釈します。
これはヘッドに、たとえば「買い物をした」という行動が刻まれていることを意味します。
発注した商品を受け取るのは今世かもしれないし、もしかしたら遥か昔に受け取っているかもしれません。
おそらくたいていの人が遥か昔に受け取っていて、今世では自分が始めから持っていた才能や環境だと勘違いし、存分に使っているはずです。

実はドラゴンヘッドには一つ前の過去世が刻まれているとは限らないのです。
人によって一つ前であることもありますが、たいていは数ある過去世のうちの一つです。
単に今世で支払うべき義務のある「納品書」を、何を買ったか忘れてしまわないように持って生まれてきただけに過ぎません。

そして、ドラゴンテイルはその「納品書」に対応した「請求書」です。
かつて自分が起こした行動の、負債はどう解消すべきか。
つまり負債を贖うための支払い方法が書いてある、というわけです。
だからケートゥ(テイル)がインド占星術では「借り」と表現されているのだと思います。
人は「借り」と聞くと恐れて逃げ出そうとするものですが、自分自身が購入した物の支払いをするだけなのですから、何を恐れる必要があるでしょうか? むしろ、請求書から逃げていたら負債が膨らみ、いずれ破綻します。小学生でも分かることです。

西洋占星術の解釈は「借金から逃げなさい」と教えている

上の喩えを見てくれば、最近の西洋占星術が
「テイルから離れろ、逃げろ」
「ヘッドを目指して生きていけ」
と教えているのはとても恐ろしいことだと分かります。

現代西洋占星術の教えを、上の喩えに当てはめて訳してみましょう。
請求書から離れろ、逃げろ。ひたすら買い物を続けて納品書を積み重ねていけ!
……ぞっとしますね。
ヘッドとテイルを反転させて解釈してしまったのは罪のない誤りだとは思いますが、言うことを聞いていたら大変なことになってしまいます。
今すぐテイル、すなわち請求書から逃げるのをやめましょう。

インド占星術で、ラーフ(ヘッド)を「現世的欲望」と解釈し、「ラーフを求め続けても満たされることはない」と教えて特に強く戒めるのはこういう理由からです。
逆にケートゥ(テイル)は辛い義務ではあるが、「高い精神性を得るための禁欲」とされるのは、債務を解消するのが未来への幸福の道だからです。もちろん支払いが終われば禁欲し続ける必要はありません。支払い義務のない場所へひたすら払い続けることもまた無意味。
このためケートゥもまた凶とされるわけです。ただ、少なくとも請求書が有効である限りは支払い義務を果たさなければなりません。

スピラー本は、逆に読むべし

では、具体的にどうすれば負債がなくなるのでしょうか?
そのアドバイスを得たいなら、ジャン・スピラーの『前世ソウルリーディング』を逆に読むと良いです。
これまで私は彼女を始めとする現代西洋占星術家の誤りを指摘してきましたが、ジャン・スピラーという方は優れた占星術家だと思います。
この方は星座の典型的な解釈を極めており、決してぶれることなく忠実な星座解釈に徹していますので、方向性さえ誤っていなければ内容は正しくなるはずです。
だから上の本の項目を反対で読むと的確なアドバイスが得られることと思います。


ドラゴンヘッドが山羊座にある人 → 蟹座の項目を読む
ドラゴンヘッドが第一ハウスにある人 → 第七ハウスの項目を読む
(修正。ハウスで読むのは過去世リーディングとして正しいかどうか少し疑問があります。もう一度考えます)

本をお持ちでない方は、テイルの星座解釈を徹底して読み込むと良いです。そしてテイルの星座が象徴するものを求めてみることです。
そのためには余計な解釈の混ざらない、典型的な星座解釈が必要です。
当サイトの星座解釈(初心者の方向けの基本解釈)も参考にしていただくと嬉しく思います。

「テイルの星座が象徴するものを目指せ」と言っても、人によって始めは違和感を覚えるかもしれません。何故ならヘッドのほうが実は慣れた振る舞いだからです。そこを目指せと言われたなら心地良いので、つい「そちらが本当」と思ってしまいがちです。また、前にも書いた通りヘッドを目指すと成功しやすいことは事実です。既に自分が経験した分野なのですから当然です。
しかし繰り返し忠告しておきますが、現世での成功ばかり求めていると負債が膨れ上がりいずれ破綻します。
少し受け入れ難くても、禁欲の目標としてテイルを頭の隅に置いて生きてみてください。

筆者もスピラー本を参考として、反対の項目で読んでいます。本当にスピラーは解釈が的確。「まるで霊視能力者」と言われる通り表現も素晴らしいため、癒されます。
(参考として筆者を例とし、読み方の見本を書いています。⇒プライベートブログへ


次ページでは補足として、月とドラゴンヘッドの違い、サビアンシンボルの活用の仕方などを書きます。

>>(6)へ続く

吉野圭 著 https://astrology.kslabo.work/
※この記事では占星術師の敬称略

ドラゴンヘッドを読む(4)インド占星術の解釈を読み直す



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前ページ(3)で書いた通り、ジャン・スピラーらアメリカの西洋占星術師によるドラゴンヘッド&テイル解釈は、どうやら時間進行が逆だったようです。
何故、このような誤りが生じたのか?
謎を解くため基本に戻り、インド占星術のヘッド&テイル(ラーフ&ケートゥ)の解釈を読み直してみましょう。

西洋人にとっての罪と恩恵

ドラゴンヘッド&テイルにまつわる神話と、この感受点がどちらも「凶」として解釈されることは冒頭に書きました。
同じ「凶」でもヘッドとテイルで意味合いは少し違い、それぞれ次のように解釈されます。

ドラゴンヘッド(ラーフ): 過去世カルマの報い

ドラゴンテイル(ケートゥ): 過去世カルマの借り


いかにも東洋的、シンボリックで意味が分かりづらい解釈です。
少しは仏教に馴染んでいる日本人ですら理解することが難しいですね。
近代の西洋人が初めてこの解釈に触れたとき、「???」と頭の中を大量のクエスチョンマークが駆け巡ったことは想像に難くありません。

それでおそらく翻訳者は西洋人に分かりやすくするため、
「報い」を「キリスト教的な福音(恵み)」
「借り」を「キリスト教的な罪業(要、贖い)」
と翻訳して伝えたのでしょう。
おそらく、ここが誤りの出発点です。

西洋人にとって、「報い」は必ず未来でなければなりません。何故ならそれは、人間が過去の罪を贖(あがな)った結果として神様が下さるものだからです。
このため西洋人は「テイル=過去の罪」、「ヘッド=未来のご褒美」と解釈したのだと思います。
(意識して宗教に従ったというよりは、幼い頃からの刷り込み教育で無意識的にそう解釈したのだろうと思います。スピラーたち神秘主義者が宗教に縛られているのであれば、異教徒の思想として憎まれる「輪廻転生」など認めるはずがないので)

人間の一般的な心理としても、
「悪いことは過去」
「良いことは未来」
なのだと考えたほうが精神衛生に良いことは確かです。未来に良いことが待っていると考えれば心が前向きになるでしょう。西洋占星術におけるヘッド&テイルの時間進行の誤りは、そのような人間心理の影響もあるかもしれません。

東洋人は「報い」「借り」をどう解釈するか

いっぽう、東洋の仏教圏において「報い」は、良いニュアンスも悪いニュアンスも含むフラットな言葉です。
そもそも「報い」は神様が下すものと考えられていません。
「因果応報」
「情けは人の為ならず」
という熟語や諺が表すように、行い(カルマ)の結果がただ返ってくるだけ。
良い行いをすれば良い結果が返ってくる、悪い行いをすれば悪い結果が返ってくる。
この通り自然法則、物理学的法則と同じような当然の現象として解釈されています。言わば罰もご褒美も、自分自身が下しているようなものです。
※情けは人の為ならず →正しい意味

「借り」も同様で、良いニュアンスも悪いニュアンスも含みます。
「借り」とは「行う義務があるが、まだ行っていないこと」。義務と聞くと反射的に嫌だと思い逃げたくなってしまうかもしれませんが、単に返すべきことを返すだけなので悪いことばかりではありません。

インド占星術における実占の解釈

参考として、インド占星術家が実占でラーフ&ケートゥをどのように解釈するかを見てみます。

一般のインド占星術家は、ラーフ&ケートゥをただ前世を探るために使うわけではありません。(もちろん、輪廻転生に関わることが前提ではありますが)
実占では、ネイタルのラーフ&ケートゥを今世の事象として次のように読みます。

ラーフ(ヘッド): 欲望

現世的な欲望と成功のポイント。ラーフを活かせば現世で成功しやすい。ただし、ラーフの成功は永久的に追い求めてはならない。竜の口はどれだけ食べても内臓がないので満たされることはなく、欲望が止まらなくなり暴走する。ラーフに導かれ生きることは、輪廻転生から解脱できなくなる不幸を意味する。凶。

ケートゥ(テイル): 禁欲

解脱のポイント。輪廻転生から脱するために禁欲的生活をすること等を表す。ケートゥを目指して生きれば欲を絶つことになるため、現世的成功に恵まれることはない。隠遁、病気を表すこともあり、一般的には凶。ただしケートゥは、高い精神性の実現や学問達成の道も示している。

どちらかと言えば、ラーフ(ヘッド)のほうが凶性が強いと感じるのは私だけでしょうか?
「現世で成功すること」を単純に「幸運」と解釈するのは、いかにも西洋っぽいな……と思います。その単純さに呆れつつ、何も悩みがなさそうで少々羨ましくもなります。
ただ西洋人の誤解に従ってヘッド的な成功を求めることは、遠い将来に負債を残すことになるため私はお奨めしません。
もし転生の輪から卒業したいなら、今すぐ西洋占星術的な誤解を改める必要があります。

次ページでは過去世リーディングとしての実占法をご紹介します。

>>(5)へ続く

吉野圭 著 https://astrology.kslabo.work/

ドラゴンヘッドを読む(3) スピラー本で気付いた、ヘッド&テイル時間進行の誤り



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私が西洋占星術におけるドラゴンヘッド&テイルの解釈誤りに気付いたのは、ジャン・スピラー著『前世ソウルリーディング』を読んだためです。




その前から、インターネット上で見かけた『ドラゴンヘッド前世占い』が気にはなっていました。
「どうも正確に反対のことが書かれているらしい……」と感じたので、気に留めていたものです。


宿の「業」を前世と見立てる手法を始めとして、世にある『前世占い』は私の記憶とは全く掠りもしません。自分が持つ前世記憶はもちろん、今の現実も言い当てていないと感じます。
もしかしたら、「前世記憶を持つ人など存在しない」「前世など現実にあるわけがない」という前提で、適当な作り話を書いている占い師が多いのかもしれない。そう疑ってしまうほど当たっていません。
少しだけ当たっているかなと思ったのが、伝統的な月星座による前世占い。それでも漠然としたイメージでなんとなく近い、と感じる程度です。
(そして唯一、的確に前世を表していたのが宿曜占星術の「宿」でした。このことは宿曜占星術のページ他で再三述べてきた通り)

そのように当たらない前世占いばかり流布されている中、『ドラゴンヘッド前世占い』だけは正確に反対の結果だったので、これは調べる価値があると思いました。たとえ間違っているとしても、正確に反対ということは何らか真理に触れている可能性があるからです。
それで、ドラゴンヘッドで前世を読むという手法を流行させたアメリカの西洋占星術師、スピラーの本を読んだわけです。

決定的でした。
スピラーという占星術師が基本のサイン(星座)解釈に忠実なプロフェッショナルであるために、どの文章がどのサインを指しているのか明確に読み取ることができ、おかげで西洋占星術の誤りの筋道を知ることができました。

スピラーもそうですが、このジャンルにおける西洋占星術師たちは、
「ドラゴンテイルのあるサイン=過去世」
「ドラゴンヘッドのあるサイン=今世~来世」
と考えていたわけです。

既にお伝えしている通り、この時間進行は逆です。

以下に実例として、遠慮なく使える素材である筆者を取り上げて詳しく解説します。
(プライベートブログに書いてきた話がベースとなっています)



筆者の例

筆者ネイタルホロスコープでの各感受点位置

ドラゴンヘッド: 山羊座
ドラゴンテイル: 蟹座

この場合、スピラー本で解釈すると次の通りになります。

スピラー解釈(要約):
あなたはこれまでの前世で温かい家庭や組織に恵まれてきました。現世でも家庭人でしょう。長い間、家庭などの集団という大きな傘のもとで暮らしてきたため、依存心が非常に強い人です。拒絶されることを極端に恐れていて、自分自身も他人を拒絶することが出来ません。曖昧な返事をして流されてしまいがちです。

また非常に感情が強い人です。冷静な思考力を持つことは最も苦手で、感情に押し流されることが多いはずです。恐怖や不安に襲われるとパニックを起こします。

このような弱点を乗り越えると、実は12星座中で最もリーダーに向く資質を持っています。繊細な感情で部下の気持ちを理解しますから、組織をうまく統率することが出来る理想的なトップとなります。


筆者を知っている人はきっと「あり得ない」と笑うと思います。
もしかしたら、怒りだす人もいるかもしれません。「お前なんか、家庭人という言葉を浴びる資格すらない!」と言って。

スピラー解釈と反対に、私は長い転生の間、一度たりとも温かい家庭で育ったことがありませんでした。自分で家庭を持ち、「家庭人」として生きたこともありません。一つ前の過去世は特にひどかったと思います。私としてはめずらしく結婚し家庭を持ちましたが、「家庭人」とはとうてい言えなかったはずです。

記憶している前世: 私は前世では一切家庭をかえりみることなく、仕事に生きて死にました。子供と会ったのも、記憶にあるのはたったの二回きり。妻にも子供にも申し訳なく思っています。
当時、私はある組織のリーダー格(二番手)であり、確かに主君との絆には恵まれました。しかし組織への依存心はなかったと思います。むしろ少しも依存しなかったこと、「孤高」を気取り援助を求めず、独りきりの世界に閉じ籠もったことが失敗のもとでした。
感情をコントロールすることには長けていたので、「冷静な思考の持ち主」と称されていましたが、ロボットのような冷たい人間だと思われてしまったようです。温かい血が流れていない、と言われることが今は最も辛いです。
実は当時キャパシティオーバーでパニックに陥ってもいたのですが、それすら周囲には伝わらなかった。もう少し感情を顔に出し、パニックに陥っていることも伝えていれば良かったのだと思います。
このような反省から、今世以降では感情表現して生きることが目標です。


この通り、今世以降の目標までスピラーの解釈と正確に反対となっています。
スピラーは蟹座が過去、山羊座が未来だと思って、山羊座へ向かうようアドバイスしているものです。

私がスピラーのアドバイスを鵜呑みにしてしまったらどうなるでしょうか?
前世の繰り返し。元の木阿弥。同じ轍を踏むことになります。

時間進行を逆に解釈することは、実は大変な誤りです。

確かにヘッドを目指せば地上で成功しやすいのです。何故ならそれこそが慣れた生き方であり、修練の末に得た果実があるから。
しかし都合の良い成功ばかり求めていては駄目です。
インド占星術の解釈に照らし合わせれば、この誤りによる弊害がよく分かるはずです。後述します。

他の方の例


筆者一人の例だと信じない人が多いらしい。そこで他の方の例も少しご紹介します。

個人情報に関わるため詳しくはご紹介できないのですが、前世記憶を持ち、その記憶が確実に裏付けられていると認められる方についても同様でした。


〔Aさん〕

ドラゴンヘッド: 山羊座

ドラゴンテイル: 蟹座

Aさんは前世で強力なリーダーとして生きました。「依存心がある」どころか全くその正反対にリーダーらしい人格で、反骨精神で戦いに挑み、敵に捕縛され亡くなられています。今世でもお若いのに気品と風格ある印象の方です。今後は平和な日常と、家庭の温かみも味わいながら人生を送っていただきたいと願います。


〔Bさん〕

(ご本人の希望でカットしました)


かろうじて書けるかなという範囲のみご紹介しました。
個人が特定されないようにぼかしながら書いていますが、削除ご希望の場合はご連絡ください。


次ページでは、インド占星術の解釈が意味することについて読み解いてみます。

>>(4)へ続く

吉野圭 著 https://astrology.kslabo.work/

※この記事では占星術師の敬称略



ドラゴンヘッドを読む(2) 西洋占星術のテイルとヘッドの時間進行は、「逆」である




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インド占星術の解釈についてもいずれご紹介しようと思っていますが、先に核心から述べることとします。

西洋占星術におけるドラゴンヘッドとテイルの解釈は、前記事に書いた通り、このように言われています。
「ドラゴンテイルは悪い前世の因縁。凶」
「ドラゴンヘッドは目指すべき未来。吉」
※単純化しています

ここで天地を逆さまにするような推測を申し上げます。
――西洋占星術師の先生方。その解釈、おそらく逆です。

つまり、
ヘッドが過去(今に対応する過去カルマ) 
であり
テイルが未来(今後補うべき運命の欠け) 
です。

これはインド占星術の受け売りで述べているわけではありません。
インド占星術はひとまず脇に置いて、あくまでも実体験として前世記憶を持つ筆者、そして同じく前世記憶を持つ他の方々の出生ホロスコープを根拠として述べています。

前世記憶を持つ人は非常に希少なので調査対象の数も少ないのですが、筆者のもとにあるデータに限れば全て(つまり100%)、ドラゴンヘッドが過去世を表していました。
占いで100%の数字はなかなか出ないので、これはほぼ確実と言えるのではないかと思います。

もちろん、筆者のもとに集まるデータに偏りがない、とは言えません。
何故ならある運命を持つ人には、似たような運命を持つ人が引き寄せられ集まる傾向にあるからです。このためもしかしたら私のもとには特殊な人々ばかり集まっている可能性もなきにしもあらずです。
このため断言はできないのですが、インド占星術での解釈や、インドに伝わる神話を読み込んでもやはり私のデータが示す結果のほうが理屈が通る気がします。

そもそも「頭(口)」を始まりとし、「尾」を終わりと考えるほうが言葉としても自然です。
神話には真理や事実を示唆するための暗喩(暗号)が織り込まれているもの。
「たかが神話。作り話」と考え、言葉や数字をおろそかにすべきではないでしょう。
言葉が持つ単純なイメージが真理を示すことは往々にしてあります。
次ページでは実例を示します。

>>(3)へ続く

吉野圭 著 https://astrology.kslabo.work/

ドラゴンヘッドを読む(1) インドの神話をひもとく



近年「前世占い」と言えば『ドラゴンヘッド前世占い』が思い浮かぶほど、ドラゴンヘッド&テイルは西洋占星術でポピュラーな感受点となってきました。
しかし、ご存知の通り、ドラゴンヘッド&テイルを読む手法は現代の西洋占星術には伝わっていません。今ではインド占星術のみに伝わる手法です。
※実は西洋にも古代は輪廻転生思想がありました。後述

西洋占星術とインド占星術は源流は同じでも、宗教的な背景が大きく異なります。このため、西洋の人々がドラゴンヘッド&テイルを解釈する際に少し誤りが生じているようです。
ドラゴンヘッド&テイルの実践解釈の前に、このページでは「ドラゴンヘッド&テイルとは何か?」という基本と、西洋の人々の誤解について書きたいと思います。


ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルとは何か

まず基本から。
「ドラゴンヘッド」・「ドラゴンテイル」は惑星ではなく、地球から見た太陽の軌道月の軌道交点です。
アセンダントなどと同じように、惑星に準じる扱いの「感受点」になります。

〔参考図〕by Wikipedia


この図では下の点(昇交点)が「ドラゴンヘッド」、上の点(降交点)が「ドラゴンテイル」です。後でご紹介するように、月の交点が竜の頭と尾に喩えられる伝説がもとになった呼び名です。
インド占星術ではそれぞれ、「ラーフ」と「ケートゥ」と呼びます。中国語では「羅睺」「計都」と書きますが、これは古代インド語の音をそのまま漢字で表記したもの。中国占星術に馴染みのある人でない限り分かりづらいし、発音しづらいので、日本で漢字表記する時は意訳にて「竜頭」「竜尾」と書くほうが一般的です。

英語圏では、ドラゴンヘッドを「ノースノード」、ドラゴンテイルを「サウスノード」と呼びます。英語から翻訳された占星術のテキストもこう訳していることが多いと思います。
(例外として、ジャン・スピラーの著書の日本語訳では「ドラゴンヘッド」「ドラゴンテイル」と表記されています)
「ノード(node)」は単に「交点」という意味です。実は月の交点以外にも「ノード」はあります。しかし占星術で月の交点以外が使われることはあまりないので、「ノード」と表記されていればそれは月の交点を意味することになります。

二つに分かれたドラゴン。悲劇としての輪廻

月の交点に「ドラゴン」の名が与えられているのは、インドに伝わるこのような神話が由来です。

昔、むかし。
天界へ忍び込んだ悪い竜が、神々だけが口にできる神秘の飲物“ソーマ”を盗み飲んでしまった。
その様子を見ていた太陽神と月神は、最高神ヴィシュヌ(ブラフマン)に竜の退治を頼んだ。
しかし“ソーマ”を飲むと不死になるため死ぬことがない。
ヴィシュヌ神は竜を二つに切り裂いたが、死ねない竜は頭と尾に分かれて生まれ変わった。
輪廻の輪を廻ることになった竜は太陽と月に怨みを持ち、この二つの星を飲み込んでしまおうと今でも追いかけているのだ。

この神話から分かるのは、ドラゴンヘッドとテイルが悲しみの輪を廻る不運を持つということです。だからインドではどちらも「凶星」と解釈されます。
西洋の人には分かりづらいようですが、東洋において輪廻転生はあくまでも「悲しみ」であり「不幸なこと」なのです。生まれ変わりという永遠の輪を抜けること(解脱)が至福であり、全ての魂の目標とされます。


欧米の占星術家たちの勘違い

冒頭に書いた通り、古代においては西洋でも輪廻転生思想が信じられていました。
と言うよりもむしろ、上の神話は西洋が起源ではないかと考えられます。何故なら輪廻転生を「悲しみ」と説くのは、かつて地中海沿岸で信仰された神秘主義と似ているからです。また、永遠の命を与える“ソーマ”という飲物は、古代ペルシャの宗教で使う飲料と同じ物だとされます。
当然、ドラゴンヘッド&テイルという感受点も古代においては西洋占星術で用いられていたと考えられます。

しかし西洋では約二千年前に誕生した一神教によって、輪廻転生思想は信じることも知識として持つことも禁じられました。
そのため二千年近く輪廻転生思想に関する知識を失っていた西洋人たちは、輪廻が「悲しみ」であることさえ忘れてしまったようです。

インド占星術では、ドラゴンヘッドを「過去世カルマの報い」、テイルは「過去世カルマの借り」と説きます。
この通り言葉にすると、まるでヘッドが吉でテイルが凶であるかのように感じられます。
近代、輪廻の知識を失った西洋人たちが初めてインド占星術に触れたときも、単純にそう理解したのでしょう。
また「罪業」と訳されたテイルは、キリスト教における「罪」と同じだと思ったのではないでしょうか。
それで「テイルは懺悔して贖わなければならない罪。悪いことをした前世」と解釈し、「今の人生でテイルの罪を悔い、幸福を受け取る場所であるヘッドを目指さなければならない」と解釈したのだと想像します。
明らかに西洋人たちの勘違いです。
しかし、この勘違いが今は一人歩きし、
「ドラゴンテイルは悪い前世の因縁。凶」
「ドラゴンヘッドは目指すべき未来。吉」
と解されています。

日本でも、「ドラゴンテイルは離れるべきカルマ。このカルマから解き放たれたなら幸せになれます。テイルを捨て、ヘッドを目指しましょう」と説く占星術師の先生方が増えてきました。
この勘違いは占星術の誤った知識を撒き散らしているだけではなく、実際の過去世を読むときも、今世の方向性を考えるときにも誤りをもたらすのではないかと思います。

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