ドラゴンヘッドを読む(6)実占補足 月とドラゴンヘッド、読み方の違い



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ここまで長々とドラゴンヘッド&テイルについて考えてきました。
鑑定データをベースとして、「現代西洋占星術での読み方はどうやら間違っているらしい」というお話をしてきたのですが、読み方はともかくドラゴンヘッド&テイルが過去世に関わる感受点であることは確かなようです。

では古来、「前世を表す」感受点だと言われており、当サイトでも以前から「前世である」と主張してきた月は何であるのか。
“ドラゴンヘッドと月、どちらが私の前世? いったい、どちらを見ればいいの?”
そう疑問に思われた方は多いと思います。
疑問を解くためこのページでは月を見る場合と、ドラゴンヘッドを見る場合の読み方の違いについてご説明していきます。


前世と過去世は、イコールとは限らない

まず知っていただきたいのは、「前世」と「過去世」は完全に同じ意味の言葉ではないということです。
魂はたった一回きり転生するわけではありません。どなたの魂も膨大な数の転生を繰り返しています。
その数ある転生のなかで、一つ前の転生だけを「前世」と呼びます
前世を含む全ての転生の総称が、「過去世」です。
(この用語の使い方はあくまでも当サイト上の定義なのですが、一般的にもこう表現すれば分かりやすいはずです)

そのため人によって、転生記憶は一つ前の「前世」であったり、何回前か分からない遥か昔の「過去世」であったりします。
この点、必ず頭に入れておいてください。
「前世」と「過去世」の概念をごちゃごちゃに考えると混乱してしまい、ホロスコープのリーディングも正しく行うことができないでしょう。

※時間について: 魂の世界に時間はないので、この地上世界の時系列で「過去」「未来」が決まるとは限りません。地上における未来の人生が「過去世」である場合もあると思います。または、「過去世」と「今世」が同時に生まれ、同時代を生きていることもあり得ます。ただその魂の辿ってきた道筋として、カルマのきっかけに近いほうの転生を「過去世」、結果に近いほうの転生を「今世」または「来世」と呼ぶことができます。


月は一つ前の過去世である

魂の辿ってきた道筋のなかで、今世に最も近い「前」の転生が「前世」。
この前世で送った人生が、どうやら出生ホロスコープ上の月という感受点に表現されているようです。
⇒月(≒宿)で前世を占うページはこちら

当サイトで
「月が一つ前の過去世を表している」
と主張しているのは、筆者自身の裏付けがあるから。
筆者は確実に一つ前だという認識のある記憶を持っており、これが月および宿解釈と驚異的に合致していた。
しかもその解釈が、自分の今世の幼少期をもほぼ正確に当てていたので、月が前世を表しているという考えに間違いないと思われました。

つまりたった一件のデータで述べているだけなのですが、鑑定データ上、他の方々も宿(≒月サイン)解釈と今世幼少期の性格は一致することが裏付けられています。
※根本的に選択する暦が間違っていたり、宿計算上の誤差がある人は除きます。参考⇒宿曜占星術が当たらない人へ

このことから、やはり月が前世を表していると考えて間違いないと思われます。
これは理論上の話です。
転生とは別人に変身することではなく、投げたボールがそのまま転がり続けるように同じ流れに乗って再び生まれるだけのことです(前世の地位や財産などの物質的な持ち物は失いますが)。「死ねば人生リセットできる。性格が激変して素晴らしい人格になれる」などと夢見ている人が多いのですが、それは転生について重大な勘違いをしています。残念ながら、輪廻転生も地上人生とルールは同じ。自分で努力もしないのに、ただ死ぬだけでスーパーマンに変身できる、などという都合の良いことはありません。
したがって月が幼少期を表しているなら、それは前世晩年の生き方が投影されていると考えるのが妥当なわけです。


ドラゴンヘッドは今世と対応する過去世を表す

いっぽうドラゴンヘッドは一つ前とは限りません。
たくさんある過去世のうち、今世と対応する重要な過去世を示しているようです。
前ページで書いた通り、ヘッドはカルマ原因となった過去世。テイルはカルマ解消のために今世で行うべきこと。ネイタルホロスコープには、ヘッド&テイルで債務原因と支払い方法がセットで表されているということになります。親切ですね。

実は「前世の記憶を持っている」と仰る方の多くが、一つ前ではなくもっと昔の過去世を思い出しています。
何故なら、今世と対応する過去世の記憶を思い出さなければ無意味だからです。
多くの方にとって今と対応する転生は前世ではなく、さらに昔の過去世です。魂は一つのカルマについて、何度も繰り返し生まれ変わって解消しています。これは時系列に順番通り解消されていくのではなく、その人生テーマに合ったカルマが提示されることになります。だから今の人生カルマに対応する過去世は、予想外に離れた過去であることがほとんどです。
だから当サイトで月(≒宿)の解釈を読んでも、ご自分の過去世記憶と完全に合わないと感じられる方がいるはずと思います。
そのような方の場合は、ドラゴンヘッドで読んだほうが記憶と照合しやすくなるはずです。

ちなみに今世と対になる過去世の、具体的な出来事はドラゴンヘッドのサビアンシンボルで読むことが可能です。
一度ごとの度数で解釈できるサビアンシンボルを読むと、短文で的確に過去世の出来事が表現されていることに驚かされます。
過去世の記憶を持つ人はシンボルの詩文だけで「ああ、これはあのことだ」と分かりますから、背筋の寒さを覚えることでしょう。
(ただし詩文は隠喩ですから、記憶のない人が詩文から具体的な出来事を推測するのは、なかなか難しいかもしれません)

これと違ってドラゴンヘッドのサイン(星座)解釈は大雑把なもの。
だから該当の過去世だけではなく、前世を含む他の過去世についても当てはまる箇所が多いはず。
このことはたいていの魂が、全ての転生で似たような癖を持ち越し、似たような失敗を繰り返していることを意味しています。
たとえば私もそうです。
ドラゴンヘッドで表されているカルマは遥か過去に原因があるのですが、サイン解釈に表れている戒めは、一つ前の人生にも当てはまります。長いこと自分の魂の個性は変わっていないし、同じ失敗を繰り返しているのだなと分かります。反省しきりです。


記憶がない方のリーディング

以上の「記憶がある者」のデータを当てはめていけば、記憶がない方の過去世リーディングもある程度実現できるはず。

まとめておくと、

●宿、月 → 前世と今世の幼少期
●ドラゴンヘッドのサビアンシンボル → 今世と対応する過去世。カルマの原因となった具体的な出来事
●ドラゴンヘッドのサイン解釈 → 今世でも引きずっているかもしれない魂の癖。改善方法はテイルのサイン解釈を参考にすること

となります。

転生記憶がなくても、たいていの人に宿(≒月)の解釈は役立つでしょう。幼少期から持つ性格の欠点診断や改善策として。
また、ヘッドのサイン解釈は無意識的に痛いポイントとなるはずです。ヘッドへ向かうと同じ失敗を繰り返すことになりますので、地位や名誉を得ても魂としては不幸になります。テイルのほうへ向かえば欠点を補うことができ、バランスの取れた人生となります。
もしヘッドのサイン解釈にピンと来ず、「テイルサインのほうが今の自分に近い」と感じる方がいるなら、その方は既に順調にカルマ解消のための人生を送られている最中なのだと言えます。つまり、その方の人生の方向性は間違っていないことになります。ただしテイルのほうへ力を注ぎ過ぎている場合は再びバランスが崩れてしまいますから、程々にするようアドバイスが必要かと思います。

具体例

以上の考えを導き出した例として、筆者のホロスコープ情報と記憶をご提供しています。筆者についてご存知の方はこちらの記事をどうぞ。
⇒プライベートブログの記事 『前世、月とドラゴンヘッドへの表れ』

吉野圭 著 https://astrology.kslabo.work/

ドラゴンヘッドを読む(5)実占編 ヘッドは「納品書」、テイルは「請求書」



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では、いよいよ実占です。
前ページまでの推測と体験に基づき、過去世リーディング+今世の生き方指南としてのドラゴンヘッド&テイルの読み方をご紹介していきたいと思います。
なおこのページでは便宜上、断定形で書きますのでご了承ください。

ドラゴンヘッドは「納品書」、テイルは「請求書」と読む

夢のない喩えで申し訳ないですが、現代感覚で分かりやすくするためにこう表現してみることにしました。

想像してください。
あなたは通信販売で、カード払いにて何かを購入しました。
しばらくしてあなたの元へ届けられるのは品物の入ったボックスです。
このボックスの中に入っているのは当然ながら、
・注文した品物
・品物の名称、料金、個数などが書かれた用紙「納品書」
(カード払いしたため領収書は銀行の明細に代えます、と書かれているか、納品書と兼)
になります。

さて、翌月以降の支払い月になるとカード会社から「請求書」が送られてきます。
このタイムラグが嫌なものです。忘れた頃に請求書が届くので、どきっとする人もいるはず。
カードで細かな日用品を購入する方は、その月に何を購入したか、うろ覚えだと思います。実際に買った品物の料金や購入した店などは、請求書に該当する月の納品書(または明細書)を見て確認するはずです。

――これを人生に当てはめますと、

納品書が ドラゴンヘッド 
です。あなたが過去に発注して受け取った品物。そして

請求書が ドラゴンテイル
です。あなたが過去に購入したものの支払い料金と支払法(振込先等)が書かれています。

一気に夢がなくなりますね?(笑)
ごめんなさい。でも、これが正しい解釈だし、輪廻転生の現実です。
輪廻転生は上の日常的な生活行動を拡大したようなもので、何も神秘的なファンタジーなどはありません。現代人は魂を否定しているために、輪廻転生が空想世界のきらびやかなファンタジーに思えるだけです。(他記事で書きますが、強く魂を否定している人のほうがファンタジーにとり憑かれやすく、危険なのです)
私がいつも「生まれ変わりは甘いファンタジーなどではない。夢から醒めてください」と言うのはこういう意味です。

インド占星術との照らし合わせ

前ページまでで説明した通り、インド占星術ではラーフ(ドラゴンヘッド)を「恵み」と解釈します。
これはヘッドに、たとえば「買い物をした」という行動が刻まれていることを意味します。
発注した商品を受け取るのは今世かもしれないし、もしかしたら遥か昔に受け取っているかもしれません。
おそらくたいていの人が遥か昔に受け取っていて、今世では自分が始めから持っていた才能や環境だと勘違いし、存分に使っているはずです。

実はドラゴンヘッドには一つ前の過去世が刻まれているとは限らないのです。
人によって一つ前であることもありますが、たいていは数ある過去世のうちの一つです。
単に今世で支払うべき義務のある「納品書」を、何を買ったか忘れてしまわないように持って生まれてきただけに過ぎません。

そして、ドラゴンテイルはその「納品書」に対応した「請求書」です。
かつて自分が起こした行動の、負債はどう解消すべきか。
つまり負債を贖うための支払い方法が書いてある、というわけです。
だからケートゥ(テイル)がインド占星術では「借り」と表現されているのだと思います。
人は「借り」と聞くと恐れて逃げ出そうとするものですが、自分自身が購入した物の支払いをするだけなのですから、何を恐れる必要があるでしょうか? むしろ、請求書から逃げていたら負債が膨らみ、いずれ破綻します。小学生でも分かることです。

西洋占星術の解釈は「借金から逃げなさい」と教えている

上の喩えを見てくれば、最近の西洋占星術が
「テイルから離れろ、逃げろ」
「ヘッドを目指して生きていけ」
と教えているのはとても恐ろしいことだと分かります。

現代西洋占星術の教えを、上の喩えに当てはめて訳してみましょう。
請求書から離れろ、逃げろ。ひたすら買い物を続けて納品書を積み重ねていけ!
……ぞっとしますね。
ヘッドとテイルを反転させて解釈してしまったのは罪のない誤りだとは思いますが、言うことを聞いていたら大変なことになってしまいます。
今すぐテイル、すなわち請求書から逃げるのをやめましょう。

インド占星術で、ラーフ(ヘッド)を「現世的欲望」と解釈し、「ラーフを求め続けても満たされることはない」と教えて特に強く戒めるのはこういう理由からです。
逆にケートゥ(テイル)は辛い義務ではあるが、「高い精神性を得るための禁欲」とされるのは、債務を解消するのが未来への幸福の道だからです。もちろん支払いが終われば禁欲し続ける必要はありません。支払い義務のない場所へひたすら払い続けることもまた無意味。
このためケートゥもまた凶とされるわけです。ただ、少なくとも請求書が有効である限りは支払い義務を果たさなければなりません。

スピラー本は、逆に読むべし

では、具体的にどうすれば負債がなくなるのでしょうか?
そのアドバイスを得たいなら、ジャン・スピラーの『前世ソウルリーディング』を逆に読むと良いです。
これまで私は彼女を始めとする現代西洋占星術家の誤りを指摘してきましたが、ジャン・スピラーという方は優れた占星術家だと思います。
この方は星座の典型的な解釈を極めており、決してぶれることなく忠実な星座解釈に徹していますので、方向性さえ誤っていなければ内容は正しくなるはずです。
だから上の本の項目を反対で読むと的確なアドバイスが得られることと思います。


ドラゴンヘッドが山羊座にある人 → 蟹座の項目を読む
ドラゴンヘッドが第一ハウスにある人 → 第七ハウスの項目を読む
(修正。ハウスで読むのは過去世リーディングとして正しいかどうか少し疑問があります。もう一度考えます)

本をお持ちでない方は、テイルの星座解釈を徹底して読み込むと良いです。そしてテイルの星座が象徴するものを求めてみることです。
そのためには余計な解釈の混ざらない、典型的な星座解釈が必要です。
当サイトの星座解釈(初心者の方向けの基本解釈)も参考にしていただくと嬉しく思います。

「テイルの星座が象徴するものを目指せ」と言っても、人によって始めは違和感を覚えるかもしれません。何故ならヘッドのほうが実は慣れた振る舞いだからです。そこを目指せと言われたなら心地良いので、つい「そちらが本当」と思ってしまいがちです。また、前にも書いた通りヘッドを目指すと成功しやすいことは事実です。既に自分が経験した分野なのですから当然です。
しかし繰り返し忠告しておきますが、現世での成功ばかり求めていると負債が膨れ上がりいずれ破綻します。
少し受け入れ難くても、禁欲の目標としてテイルを頭の隅に置いて生きてみてください。

筆者もスピラー本を参考として、反対の項目で読んでいます。本当にスピラーは解釈が的確。「まるで霊視能力者」と言われる通り表現も素晴らしいため、癒されます。
(参考として筆者を例とし、読み方の見本を書いています。⇒プライベートブログへ


次ページでは補足として、月とドラゴンヘッドの違い、サビアンシンボルの活用の仕方などを書きます。

>>(6)へ続く

吉野圭 著 https://astrology.kslabo.work/
※この記事では占星術師の敬称略