【女宿】権力闘争に敗れた高級役人

2018年11月24日土曜日

宿曜前世占い



じょしゅく/和名:うるき
前世の人物像「権力闘争に敗れた高級役人」


この占いについて 解説・目次

前世のあなた

前世のあなたは少々不遇な人生を送られたでしょう。
抵抗出来ない権力闘争に巻き込まれ、敗れて左遷の憂き目に遭った役人。良家に嫁ぐ話が決まっていたのにライバルの誹謗中傷で破局させられた女性。そのように他者との争いにおいて敗北し、不遇な扱いを受けた人生だった可能性が高いです。

役人だった場合、生まれたのは比較的に高い階級の家柄だったと思います。
輝かしい将来は約束されていたはずでした。
成人し出自に相応しい役職を得たあなたは、着実に出世の階段を昇っていきました。あなた自身にも出世欲はありましたので高い地位を目指して努力を惜しみませんでした。規律正しく真面目、君主によく仕えたために引き立てられ、目指した地位に就くのも目前となりました。
その頃、あなたに嫉妬するライバルに妨害されたのです。
根も葉もない悪い噂を流され、たちまち噂は事実として上に伝わることになりました。
濡れ衣によりあなたは将来を奪われ当時の地位も失い、都から遥か遠方の地へ左遷されてしまいました。

左遷の地ではたいした仕事もなく、あてがわれた住まいは粗末な庵。
客人が訪れることもない寂しい庵であなたは一人、都の人々への怨みを募らせていきました。
“何故、自分がこのような目に。自分は何も悪くはない”
絶たれた夢の残骸も怨みの心を膨らませました。このような目に遭わせた相手を呪い殺すことを願ったこともあるかもしれません。
まるで仏門に入ったかのような質素な生活をし、ろくに食事もとらなかったため次第にあなたの体は弱っていきました。心の苦しみも体に負担をかけました。
間もなく病気となり、あなたは無念の人生を終わらせたのです。

不幸な経験だったと言えますが、この人生はあなたの内に情熱を植え付けました。
途中で絶たれた夢への想いは静かに燃える火のように熱を発し続け、あなたを動かし続けて行くことになります。


今世の幼少期~青年期

魂は前世で過ごした人生を今世でも引きずります。
これはボールが転がる様子と似ています。一度加えられたある力の作用は、他の力が加えられない限りそのままボールの転がる軌道に影響を与え続けます。魂も同じで、前世で得た生き方の作用は今世に伝わります。このため魂は直前の過去世で過ごした人生と、どこかしら共通する境遇や性格に生まれるのです。(注意:財力や家族の人数など、全てが完全に同じまま生まれ変わるという意味ではありません。変わらないのは特に、性格です)
このような魂の軌道を変えるためには、生きているうちに行動して別の力の作用を加えることがどうしても必要です。死ぬだけで劇的に性格が変化すること、つまり「別人に生まれ変わる」ことは決してありません。

~ここから下は前世の晩年が、今世の前半に最も自然に影響している場合を例として書きます。人によって前世の影響の表れ方は違いますし、指導霊のアドバイスで大きく環境を変えることもあります。また、前世で計画されていた課題を全うせずに亡くなった方の場合は、前世と同じテーマを始めから生き直すことになります。今の自分がどのような状態で生まれたかを知るためには、ホロスコープ(出生チャート)を詳細に読む必要があります。詳しくは、コラムで書きます。~

女宿の子は真面目な“良い子”です。
友達との約束や学校のルールはよく守り、勤勉でしょう。けっこう社交的なところもあって人付き合いも上手くこなしています。
ただその内側にはどこか暗い陰が感じられます。
まるで目の奥に内から外を鋭く見据える光、常に人を窺っている光があるようです。そのため敏感な人だとあなたを「怖い」と感じているかもしれません。
その怖さのため、いわゆるガキ大将の座に座ってしまう子もいます。優位だと思うと友達へ容赦なく命令し手下のように使い始めます。生まれながらの独裁者のようです。

この宿は「官僚の星」と呼ばれていて、文字通り官界が適職です。司法、警察関係も向いているようです。民間でも大企業を目指したほうが合っています。
商売、サービス業は不向きですので避けたほうが無難でしょう。
ただ権力欲が強く、闘争の星とも言われていることには注意が必要です。
男性なら権力闘争に明け暮れるでしょうし、女性なら恋愛で同性と戦うかもしれません。何にしても手段は選ばないようです。策を弄して裏で相手を陥れるようなこともします。冷酷非道な手も使います。そこまで、この宿の欲への情熱は強いということです。
自分でも抑えようのない欲に突き動かされてしまうのは、きっと前世で夢を途中で絶たれたためでしょう。
 無念の想いが
「今世ではどんな手を使っても夢を獲得したい」
と必死にさせているわけです。
そのために暴力に走ってしまう場合さえあります。激しい情念が抑えきれずに爆発してしまうのです。

自分でこの暗い情念に気付いている人もいます。湧き上がる情念をどうにか抑え込もうとして芸術に打ち込んだり、仏門に入る人たちです。そのような人々は「自分は欲深く罪深い人間だ」と口にします。
仏門にまで入らなくともたいていは良識によって自分の情念をコントロールし折り合いをつけていられると思います。
ただ気を抜くと野望に身を焼かれかねない宿です。意識したほうが良いでしょう。


今世をどう生きるべきか

来世のあなたの宿はまだ定まっていません。
今世の生き方によって来世も再び今と同じ宿になるか、それとも全く別の宿になるかが決まります。
来世を選ぶのは今世のあなた自身です。

女宿の人は自分の欲望の源に気付いてください。
不幸な過去の歴史が無意識にそうさせているだけだということを。
あなたは、悪くない。
もとから罪深いのでもなければ欲の塊でもないはずです。
ただあなたは真面目に夢を目指していただけ。悪いのはそれを絶った人間です。

無意識の情念に支配されて翻弄されてしまうと、今世もまた同じ闘争の人生となります。今度はあなたが過去の敵と同じことをして繰り返しとなる。同じことを続けている限り来世もこの繰り返しが永劫に続きます。
「やられる前にやらなければ」
と必死になる必要は、今はもうないのだということに気付いてください。

そっと闘争の場から離れて、自分だけの大切な人生を味わうことに専念してください。
どのような環境に置かれても味わえる人生があります。
欲しい物を獲得するだけが人生ではないのだと思うべきです。


原典引用

『此の宿に生まれし人、力量あり、病少し。布施を好み、法律を守り、道業に勤めて宗祖を崇う。家業盛んなれど、陰性なり。色難を慎むべし。陰謀詭詐に利あり。』
出典「文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」
秘伝 密教宿曜占星術 (エルブックスシリーズ)より再引用

ご注意

この占いは簡易版であり、このページで表現した「前世」の内容は大まかなイメージです。あなたの前世が完全にこの通りであると思い込み過ぎる必要はありません。ご自分の魂の軌跡について、もう少し詳しく知りたい方は「コラム」へ。


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