【奎宿】伝統と誇りを守る家長

2018年11月24日土曜日

宿曜前世占い



けいしゅく/和名:とかき
前世の人物像「伝統と誇りを守る家長」


この占いについて 解説・目次

前世のあなた

前世のあなたは伝統を継承し守る人だったでしょう。
名家名門として王家に仕えた家系の継承者。数百年の看板を受け継いだ老舗の家長。等々、古く正統なものを守り子孫に伝えた人だったと考えられます。家督だけではなく商売や伝統芸能、芸術や医業など父祖伝来の特殊な家業を継いだ可能性が高いです。
血統による承継に限らず集団の伝統、たとえば宗教やしきたりを守る人だった場合もあります。古い体制を護持しようとはたらいた国家の要人や、古典宗教の教義を守り抜いた法王などです。
女性の場合は玉の輿に乗った可能性がとても高いと言えます。名門の家督を継いだ夫の妻であることに誇りを持って、嫁いだ先の家業を盛り立てただろうと思います。

貴人の星と言われる【奎宿】は家柄への誇りを大切に抱いています。
良家出身の雰囲気を持つ星は他に【房宿】【翼宿】【虚宿】などがありますが、この【奎宿】が最も家柄の誇りを意識しているように思います。
自分の力で守り高めなければならない家業があったために、常に誇りを確認しながら自分を律して生きる必要があったのでしょう。

名門に生まれ家督を受け継いだあなたは、自分の代で家業を盛り立てて財産を増やし子孫に伝えました。
「家柄に誇りを抱く」と言ってもそれを鼻にかけて庶民を見下すこともなく、正義の心で弱者への布施を怠らなかったので庶民からも慕われ尊敬されていました。
ところが過剰に布施を義務と思い込むあまり負担を感じることもあったようです。
伝統の重みもストレスとなりました。そのため神経を擦り減らせ、臥せることもあったでしょう。
ただ、全体には穏やかで平和で、幸福な人生だったと思います。


今世の幼少期~青年期

魂は前世で過ごした人生を今世でも引きずります。
これはボールが転がる様子と似ています。一度加えられたある力の作用は、他の力が加えられない限りそのままボールの転がる軌道に影響を与え続けます。魂も同じで、前世で得た生き方の作用は今世に伝わります。このため魂は直前の過去世で過ごした人生と、どこかしら共通する境遇や性格に生まれるのです。(注意:財力や家族の人数など、全てが完全に同じまま生まれ変わるという意味ではありません。変わらないのは特に、性格です)
このような魂の軌道を変えるためには、生きているうちに行動して別の力の作用を加えることがどうしても必要です。死ぬだけで劇的に性格が変化すること、つまり「別人に生まれ変わる」ことは決してありません。

~ここから下は前世の晩年が、今世の前半に最も自然に影響している場合を例として書きます。人によって前世の影響の表れ方は違いますし、指導霊のアドバイスで大きく環境を変えることもあります。また、前世で計画されていた課題を全うせずに亡くなった方の場合は、前世と同じテーマを始めから生き直すことになります。今の自分がどのような状態で生まれたかを知るためには、ホロスコープ(出生チャート)を詳細に読む必要があります。詳しくは、コラムで書きます。~

奎宿の子は少々堅苦しい雰囲気のある、お行儀の良い子です。
一般家庭に生まれた場合でもお行儀が良いのですが、前世と同じく名家・名門に生まれることも多いようで、その場合は伝統的な礼儀教育を叩き込まれ立ち居振る舞いに品が表れます。
名家名門生まれの子は、何かと「うちの家柄は」とか「先祖は」などと口にする癖があります。親が常にそのような言葉を口にする環境で育っているため仕方がないのだと思います。悪気はないのですが、公立の学校などでは奇異に見られ少し浮いてしまうかもしれません。

理想主義者で純粋、正義感があり、清廉潔白です。また物より心を大切にする高潔な精神の持ち主です。
まるで修道士のような品格と心の美しさを周囲の人は感じているでしょう。
勉学を好み、真面目に取り組むため学校の勉強はよく出来ます。このため出身家庭に関わりなく高学歴でエリートコースに乗る人が多いようです。
ただ坊ちゃん・お嬢様的な雰囲気はいつまでも抜けず、甘く見られることがありそうです。少々潔癖過ぎるところもあります。人間の汚い欲望や争いには生理的に嫌悪感を覚えるだろうと思います。
潔癖ということは打たれ弱いということでもあります。清い水にしか棲めない魚のように、エリートコースをはずれては生きていけない面があるでしょう。
プライドが高く、正統な職種にこだわり過ぎるところも奎宿の泣き所です。
たとえば家業が医者などの資格がいる業種で、家を継がねばならないのに試験に落ちてしまった場合などは落ち込みが激しく、立ち直りがきかない場合もあるようです。

継ぐべき家業もなく、エリートコースからはずれてしまった場合は堕落しがちです。根拠もないのに自分の正統性を叫ぶ人になることもあるようです。
さらにボランティアへの情熱は【壁宿】以上です。思い込みも激しいため、人助けしなければならないと自らに義務を課すあまり過激な行動に走ることもあるようです(たとえば政治運動、宗教活動に走るなど)。くれぐれも自重してください。


今世をどう生きるべきか

来世のあなたの宿はまだ定まっていません。
今世の生き方によって来世も再び今と同じ宿になるか、それとも全く別の宿になるかが決まります。
来世を選ぶのは今世のあなた自身です。

奎宿の人は王道にこだわる気持ちをどうか少し解放してください。
エリートではなくとも生きていけます。家柄も勲章も人間が生きるためには必要ないのです。
名門に生まれ、継ぐべき家業がある人は致し方ない面もあります。でも、もしその家業を継ぐことが出来なくなったとしても人間としての人生は終わりではないと思っていただきたいです。
周りは期待しているようで案外、冷静に見ているものです。
特に家業を継ぐ立場にない従兄弟たちなどは、「跡継ぎって大変だなぁ。偉いなあ」と思いつつ覚めた目で見ています。残酷な言い方ですが家業が途絶えても彼らは何も思わないでしょう。
継ぐことが叶わなかったとしても、あなたはあなたです。それで人生が終わりになったわけではありません。

叶わなかった理想への情熱を昇華させたいからといって極端な活動に身を投じなくても良いと思います。
もっと広い世界を見つめると面白いです。世の中には色々なことをして生きている人がいます。
地味でも、評価されなくても生きる道はあるはずです。
目標を失った場合は休みを得たのだと思って、少し充電してから今度は自分のペースで歩いてみてください。


原典引用

『此の宿に生まれし人、父祖の産業を所有し、自ら経営して銭財を得、総て用い尽くして後に更に之を得。性は慎密、人を圧する癖あるも、義に堅く、布施の業を好む。遊蕩を為すも、善人を慕い、律儀なり。短気を慎み、優しくせば、万事に吉。夫婦の仲思い深し。教典を明らかにす。』
出典「文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」
秘伝 密教宿曜占星術 (エルブックスシリーズ)より再引用

ご注意

この占いは簡易版であり、このページで表現した「前世」の内容は大まかなイメージです。あなたの前世が完全にこの通りであると思い込み過ぎる必要はありません。ご自分の魂の軌跡について、もう少し詳しく知りたい方は「コラム」へ。


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