西洋占星術初級講座(1) 太陽だけを見る「星占い」は、占星術ではない

2018年9月27日木曜日

西洋占星術講座



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雑誌で見かける『星占い』とは

女性誌でおなじみの『12星座占い』。
最近は、朝からテレビのニュースでも星占いが放送されるようになりました。

「今日の運勢 ランキング」とか
「ラッキーカラー」
「ラッキーパーソン」
などなど教えてくれて便利です。

だけど朝からアンラッキー 1位とか言われると、へこみませんか。
私はへこみます。笑
だからなるべく見ないようにしています。

占いサイト運営者としてこのようなことを言うのは失格かもしれませんが、実はテレビなどの星占いは見なくても構わないものです。
信じても信じなくてもどちらでも良いレベルと言えます。
何故なら本来の占星術では、あれほど単純に吉凶ランキングが出せるものではないからです。
(私は朝から他人に不吉と言われると気分が悪いので見ないようにしているだけです)

雑誌やテレビで紹介されている星占いは、太陽という一つの星だけを見て占っています。
太陽は確かに大切な要素ですので、それだけでラッキーかアンラッキーかを占うのは間違いではないと思います。
でもそれが“全て”ではありません。
だからテレビの星占いでアンラッキー1位だったからと言ってあまり深刻に受け止め過ぎなくても大丈夫です。

性格占いでも、一般的な雑誌に載っているものは太陽の星座だけを見て診断しています。
たった12分類の太陽星座で
「あなたは獅子座だから明るい性格でリーダーシップがある」とか
「あなたは魚座だから涙もろくて優しい」などなどと決めつけてしまっている。

今までそんな星占いで、「ものすごく当たってる!」と実感された方はいらっしゃいましたでしょうか?
もしものすごく当たっているという実感を持たれたのだとしたら、運良く太陽の影響を強く受けている方なのだと思います。あるいは言われた占い結果を何でも忠実に信じ込んでしまいがちな方か。
この太陽の12星座による性格占いは大いに問題あると考えられるので、私はお薦めしておりません。

占星術ってなに?

じゃあ、「西洋占星術」って何なのか?
たくさんの流派がありますが、どんな流派であっても「占星術」と言えば、星の配置から対象を占う技法のことです。

占い対象となるものは始めは農業の植え込み時期や国家などで、後に個人も占うようになりました。
「星」とは、もともとは現実に空に見える星でした。
現在の占星術で使われている「星」は現実の星の位置とは少々ズレがあります。

星の位置を示すために「空における場所の名前」として語られるのが、「星座」です。
たとえば、
「太陽星座は獅子座」
と言った時には、空に輝く太陽が獅子座と重なって見える/太陽が獅子座に入っている、ということになります。

この「星がどの場にあるのか」を見る占いのうち、西洋占星術では星図(ホロスコープ)を作成して
「太陽・月・金星・火星・水星・木星・土星……等々 の星が入る星座全て」
を見て鑑定します。
「全て」を見るのが正統な西洋占星術ということになります。
単純に太陽の星座だけを見て占うものは、本来の意味での「西洋星占い」「西洋占星術」とは呼べないわけです。

用語解説

※ホロスコープ(horoscope): 占星術、星図のこと。日本では名詞の「星図」として訳される。英米翻訳の占星術書籍では「チャート(図)」と表現されることが多い。生まれた時の星図である出生チャートと、進行チャートがある。

※星: 占星術では観念上の惑星のこと。現実の惑星とは異なります。占星術は天動説の名残りで、惑星ではない星のことも「惑星」と呼ぶ習慣があります。またASCやMCなど星ではないものも「惑星」と呼ぶことになっています。このことが混乱を招いているとして、最近の占星学教師は惑星を「感受点」と言い換えるように指導しています。

※サイン、星座: 「星座」も、現実の天文学上の星座とは異なります。黄道を十二等分した観念上のものです。現実の星座と区別するため、最近の占星学では「サイン」と呼ぶようになっています。

※西洋占星術: バビロニアを発祥としてギリシャを経由し西欧で発達した占星術のことです。中世以降、宗教の影響でかなり改変され、近代の商業主義により太陽星座占いが主流となり今に至ります。

【ご注意】
この講座では現在スタンダードな「太陽中心の星座占い」についても触れていきますが、当サイト独自の考えも含まれます。ご納得いただけた方のみ学習どうぞ。

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