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前ページまでで、「雑誌の星占いは占星術ではない」という衝撃の(?)事実をお伝えしました。
基礎となる性格を読むだけでもどの惑星を見るべきか色々の考えがあり、さらに他のことも見なければならない。西洋占星術の世界へ飛び込むのはジャングルに踏み込むようなもの……とにかく西洋占星術は複雑だ、というイメージを少しだけつかんでいただけたでしょうか。
最初から小さなところを見ようとすると混乱して誤ります。
大事なところから読み解けるように導いていきますので、お付き合いください。
まず、肝心の出生ホロスコープ作成からです。
STEP1 生年月日と出生時間、出生地を確認する
当たり前のことですが、西洋占星術で占うためにはまず「ホロスコープ(星図)」を作成しなければなりません。※ここで言うホロスコープは出生図(ネイタルチャート)のことを意味しています
しかしこの当たり前のことが実は意外と難しいのです。
まず、人間のホロスコープを作成するためには正確な生年月日と出生時間、出生地の情報が必要です。出生地は、生まれた病院が分かれば正確です。母子手帳などで出生時間と病院所在地を確認してください。
次の準備として病院所在地から緯度経度を調べておきます。病院所在地が分からない場合は、その病院があった市町村までで構いません。
なお出生時間は誤っていることがあります。
特に、昔は病院がいい加減だったため年配の方の場合で出生時間が異なることがあるのです。30分ほどずれて記入されることはよくありますが、私が見た58歳の方のケースでは12時間ずれていたことがあります。ホロスコープを解読した結果があまりにも自分とかけ離れている場合は、この出生時間の誤りから疑ってください。
ごく稀に生年月日が違う人もいるので注意してください。日本国で生まれた人の場合、出生届に医師が作成した出生証明書の添付が必要です。このため日本人であれば生年月日が違うということは滅多にありません。ところがこれも残念なことに、母親の強い要望に敗けて医師が出生日を偽って出生証明書に記入することが現実にあるようです。
→参照。4月2日生まれが多い理由(知恵袋)
上のリンク先ケースの他に、誕生時期にご両親が宗教や占いを信じていた場合も注意が必要です。吉日に合わせて出生日を偽ろうとする親が現にいます。
生年月日の誤り(親の偽り)は、比較的に『宿曜占星術』で明白に分かることが多いです。27宿で占った場合の宿がどうしても違うと感じられ、さらにアセンダント星座もしっくりこないという方の場合、最後の可能性として生年月日を疑って親に訊いてみるというのも一考です。
STEP2 ホロスコープの作成サイト(ソフト)を探す
生年月日と出生時間・出生地の確認ができましたら、次にホロスコープ作成の準備です。昔はここから手書きによるホロスコープ作成の手ほどきを長々と受けなければならなかったのですが、今はコンピュータで簡単に作成出来ます。
一度は手書きで作成してみると良いのは確かです。でも最初ですと完成に辿り着くまでに挫折する人のほうが多いと思うので、まずはサイトやソフトを利用して構わないと思います。
ホロスコープの計算は、インターネットの無料作成サイトでも十分です。⇒検索
ただし解釈の付いていないサイトを選んでください。解釈の付いているサイトですと、偏った解釈を記憶してそれを一生信じ続けることになる場合があります。何より自分で解読する力が付かなくなってしまうはずです。
STEP3 ホロスコープの計算方法を選ぶ
作成サイトまたはソフトを選べば、いよいよホロスコープを作成することができます。あとは誕生日を打ち込めばいいだけから簡単なのですが、初心者の方はここで迷うと思います。
ホロスコープ作成のためにはハウスの計算方法を選ばなければなりません。
「プラシーダス」
「コッホ」
「キャンパナス」
「レジオモンタナス」
「ハウスなし」
等々、たくさんあります。
(それぞれの解説は省略します)
この計算方法の選択によって、ハウスというものの境界が変わって来ます。
では計算方法のうち、どれを選択すべきか?
実は、こればかりは「好み」と言うしかありません。
その時代ごとに流行もありまして、少し前の日本では「プラシーダス」が一般的に使われてきました。
しかし最近は「コッホ」が流行りでしょうか。
最近の占星術教室に通われている方は講師から「コッホでなければ駄目!」と教わることが多いようです。このため、
「ホロスコープを作成するためには絶対にコッホ計算でなければいけない」
と頑なにこだわる人もいるのですが、日本ではさほどこだわる必要はないのです。
また実際の空を分割したものに近いという計算方法にこだわる人もいますが、占星術は観念上の約束事に基づくため必ずしも実際の空通りに占えば当たるというわけではありません。
このようにホロスコープのハウス計算方法には様々な主張があり議論もあります。
まずはこだわらないで、それぞれのやり方で実際に計算してみて違いを比べてみることをお薦め致します。
それにハウスばかりに頼らない占い方もあります。
重要なのは「一つの手法にこだわらないこと」。
「教室で習ったことを絶対手法だと信じ過ぎないこと」です。
様々な手法を自分で試してみて、将来的に最もしっくりくるな(当たるな)と思うやり方を選んでいけば良いのです。最初から先生の言うことだけを絶対だと信じてしまうと、一生自分の頭で考えられなくなります。
占いは、宗教でも歴史学でもありません。テキストの言うなりではなく、自分で当たるかどうかを考えて取捨選択することが必要です。
ただし、最初からあまりにも現代のスタンダードから離れ過ぎた占い方を覚えるのはまずいと言えます。
たとえば
『ソーラーハウス』
という占い方法があります。
これは出生時間が分からない場合に太陽をホロスコープの基点とし、太陽星座を第1ハウス、次の星座が第2ハウス、第3ハウス、…と数えていくやり方です。
「ソーラーハウスが唯一のホロスコープ作成方法」であるかのように教える雑誌があって私は仰天しましたが、少なくとも現代占星術でそのようなやり方は唯一でないどころか、スタンダードでさえありません。 雑誌の言うことなどを鵜呑みにし、それ以外ないと思い込んでしまうのも怖いものです。
STEP4 ホロスコープを作成する
前置きが長くなりました。準備が整ったらホロスコープを作成してください。
ホロスコープ作成サイト(ソフト)で生年月日・出生時間・出生地を入力し、ハウスの計算方法を選びます。
「作成」ボタンを押せば、ホロスコープ作成完了。
さあ、ここからようやくスタートです。
数学のような記号と線ばかりで頭痛がするかもしれませんが、からまった鎖をほどくように一歩ずつホロスコープを解読していきましょう。
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