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重要なサインを読む
ここから具体的に、重要な感受点の入るサインを読んでいきます。感受点の意味はサインを読みながら少しずつ学んでいくことにしましょう。
まずどの感受点が入るサインから読むべきか、です。
本来どこから読んでも自由ですが、やはり最も自分の本質に近く、全ての行動パターンの中心となっている感受点から読むと分かりやすいと思います。
スタンダードな占星術では、「自分自身」を表し「基本性格である」とされる太陽を中心として読みます。したがって最も重要なサインは太陽の入るサインとなります。
(雑誌などの星占いで、いわゆる「あなたの星座」と呼ばれているものも太陽サインです)
冒頭に書いた通り当サイトはかなり少数派のやり方で、アセンダントを本質として行動パターンの基礎と読みます。
理由は前述通り、こちらのほうが本来の占星術に近い占い方であり、実占上も当たるからです。
以下、当サイトが推奨する順に感受点をご紹介していきます。
どうしてもスタンダードな占い方以外に抵抗ある方は、このページを無視してください。
アセンダントのサインを読む
各星座解釈に書いた説明の繰り返しとなりますが、もう少し詳しく書きます。生まれた時に東の地平線上にあったサイン(上昇宮/アセンダント・サイン)は、一般的には「容貌、体型」・「他人から見た第一印象」「仮面」とされていて、あまり重視されていません。 アセンダント・サインは「あなたはこんな見た目です」とだけ述べて、それ以上の分析はせず終わりとするのが普通です。
しかし現実には一般の占星術テキストで示されている通りの上昇宮の顔かたち、体型をしている人は滅多にいません。
また「第一印象」と言うよりはむしろ、しばらく付き合って判明する性格であることがよくあります。
(感覚の鋭い人に限り、初対面のコンマ数秒でこの性格を見抜いていることがあります。それでも職場だけで会っていると、表面性格しか見えないためイメージが変わっていきます。ところがその後、何かのきっかけで深い付き合いをするようになったとき、第一印象こそが本性だったと知り驚くことになるわけです)
アセンダント・サインは仮面どころかその逆の「本性」と考えられます。
たとえば、子供の性格として母親から最もよく見えているのはこのアセンダント・サインの性質のようです。後述する月より、アセンダント・サインのほうが子の性格として強く感じられるようです。
第1ハウスはその人の最も無防備な状態のプライベートを表しますから、その第1ハウスの始まりにあるサインが「出生前から持つ本質」であったとしても不思議ではないでしょう。
このアセンダント・サインの性質は、全ての行動・思考の基礎となります。
それは無意識の癖として行うものですから、本人は自覚していないこともあります。
だから他人からはよく見えて自分では自覚しづらいという意味で、「他人から見た印象」と言われるのも間違ってはいないのです。
大人になれば社会的に身に付けた態度で、生まれつきの癖を隠してしまう人も大勢います。
するとアセンダント・サインの性質は最も「無防備」となった時にしか現れなくなりますから、親しい友人や家族しか知らないこともあるわけです。
「しばらく付き合うと性格が全然違うね!」
などと言われる場合、その相手には心を許していてアセンダント・サインの癖をオープンに見せているということになります。
アセンダント・サインで性格を読む時は、ステレオタイプなサインのイメージで見ます。
全てとは言いませんが、アセンダントにそのサインを持つ人であれば、たいてい単純な性格項目のいくつかは当てはまるはずです。あるいはその星座が持つ漠然としたイメージが、その人から漂うイメージに当てはまります。
ただしサインの移り変わりに近い生まれの方は前後の影響も含んで見ます。
月のサインを読む
古典的な占星術で月は「前世を表す」とされています。スタンダードな占星術でも、「幼年期を表す」と言われています。
前世は今世の幼い頃に影響を与えますから、月サインの読み方は現代スタンダードでも古典でもあまり変わりはないと言えるでしょう。
ただ、スタンダードな占星術の書籍で月が「プライベートな性格を表す」とされている点には注意が必要です。
前の項目で書いた通り、最も無防備でプライベートな時に表れやすい性格は月サインではなく、アセンダント・サインです。
それは無自覚かもしれませんが、大切な本質と言えます。月にこだわるあまり、自分の本質を読み間違えてしまうとホロスコープ分析の意味がなくなります。
月は自分自身で一番自覚しやすい性格ですから、「自分の本性である」と勘違いしやすいのも確かです。
しかし月はあくまで前世の一時期に身に付けた性格であって、来世も続くわけではありません。
それに月は傷付いた経験や、無理をした経験と関わっていることも多いのです。月にこだわっていると前世のトラウマを手放せず、生きづらくなることがあります。
月サインの表す性質は、「いつか手放す時が来るもの」と考えてください。
「月は感情を表す。部屋で一人になった時、月星座に意識を向けると癒される」
と教えているテキストもあります。
これは前世の傷を癒すことになりますので、とても良い方法だと思います。ぜひ試してください。
さらに一歩進んで、前世の具体的な職業や生き方を読むにはサイトトップでご紹介している宿曜占星術(月をベースにインドで開発された占い)がお薦めです。
これも当サイト独自のやり方なのですが、宿そのものを前世と見ると、非常に精度の高い前世占いとして使えます。
月の度数をサビアン・シンボルで見た場合も前世を読むことができます。ただシンボルだけではあまりに曖昧で、前世記憶のない人にとっては意味不明なものとなります。
宿は月のシンボルを現実的な言葉に翻訳してくれるものですから、記憶のない人でも前世を推測しやすいと言えます。
※(記事下へ)解説1 その他の前世占い法について
太陽サインを読む
太陽が表しているものは、雑誌の星占いの説明のように単純ではありません。太陽は「今世を照らす光」。
つまり、今の人生で歩む道を示し、目標達成のための手段を教えてくれる大切な感受点です。全ての人の太陽が同等の力を持つとは限りませんので、読み方も複雑となります。
一般の占星術テキストや教室で、太陽サインは「あなたの本質」「あなたの性格」「あなた自身」と教わることと思います。
でもわりと多くの方が、「太陽サインが自分の性格とは思えない」という違和感を経験しています。
何故なのか。
それは太陽が人の性格そのものを表す感受点ではないからです。
太陽は、アセンダントや月とともに読まなければ本当には解読できません。
アセンダントに表れる本性、月に表れる前世の経験、これらの総合により「今世の課題」として計画されたのが太陽だからです。
※(記事下へ)解説2「計画された」という言葉について
その人に補うべき課題があれば、太陽はアセンダントや月と対峙する方向、たとえば180度や90度などにあります。
前世で果たそうとした課題を今世でも引き続き行う必要がある人は、月の近くに太陽があります。
今世で自分らしく生きるために生まれた人は、アセンダントの近くに太陽があるでしょう。
ごく稀に、太陽と月の距離が近い人のなかに
「太陽サインが自分自身である(そうでなければならない)」
と強迫的に感じる人がいます。これは今世でも引き続き、前世と同じ生き方をしなければならないという課題を持つからです。
また当然ながら、アセンダントと同じサインに太陽がある人は
「太陽サインが自分自身だ」
とごく自然に信じることができます。勘違いではありますが雑誌などの星占いを「当たる」と感じることのできる、少数の幸運なタイプです。
上のような人々を除いて、たいていの人は太陽サインの性質を身に付けるのに苦労します。多くの人にとって太陽は高く飛んでクリアしなければならない「行動課題」だからです。
ホロスコープが成熟すると、つまり大人になると太陽サインの運命が始動します。すると職場や家庭の要請で太陽サインらしく生きることを強いられることになるでしょう。 この課題をこなせず、太陽サインを身に付けることができない場合は人生に挫折を感じる人もいます。
そのような人は特にアセンダントと太陽のギャップが激しく、乗り越えるべき課題が難しかったのかもしれません。
課題が高過ぎて乗り越えられないと感じたら、太陽を意識し過ぎるのは控えましょう。
あまり太陽にこだわり過ぎると心が壊れてしまいます。壊れるよりは、いったん退いて休んだほうが賢明と言えます。 魂に与えられた時間は十分にありますから、少しずつ自分に足りないところを補うよう訓練していけば良いのです。
もしスムーズに太陽サインの課題をクリアできれば、太陽サインの行動パターンが身に付きます。
するとよく訓練された舞台役者の所作のように、他人の目からは太陽サインが本物の性格のごとく見えることがあります。
女性より男性のほうがこの「社会性格」を上手に身に付けることが多いようです。上手に太陽を演じることができた人は、職場の人たちから「まさに太陽星座らしい人」と思われるでしょう。
以上の通り、太陽サインは性格らしく見えることはあっても、決して本人の性格ではありません。
太陽サインを自分自身だと思い込み過ぎないほうが精神衛生のために良いと思います。
太陽サインを読む時は「目標達成のためどう行動すべきか」、「目標達成のためにクリアすべき課題」として読んだほうが正しくなります。
目標達成のための行動や活動を見なければならないので、太陽サインではエレメントとともに三区分を意識してください。
読み方の例は各「12星座の基本解釈」に載せました。
ところでこの太陽は
「目標達成のためにクリアすべき行動課題」
であって、目標そのものではありません。人生が最も熟したときの目標は、ホロスコープ頂点のMCなどに表れます。
次ページでは、MCその他の感受点についてご紹介していきます。
解説
※1【その他の前世占い法について】ドラゴン・ヘッドやテイルを「前世」と見て占う手法も最近の流行です。
確かに、ドラゴン・ヘッドやテイルは月と同様になんとなく前世の出来事を表しているようです。しかし「なんとなく」と漠然としているので、 ドラゴン・ヘッドやテイルだけで前世の具体的な職業や生き方を読み取ることは難しいでしょう。 テキストによっては、前世の出来事を真逆に読んでいることさえあるので注意が必要です。
その後の更新:ドラゴンヘッド・テイルについては、筆者自身の体験から「一般の説は逆である」と推測しています。こちらご参照ください。⇒ドラゴンヘッドを読む
ただしドラゴン・ヘッドやテイルと、他の感受点とのアスペクトは前世の事件をよく表しています。 前世でショッキングな体験をした人は、ドラゴン・ヘッドやテイルと他感受点とのハードアスペクトを持つようです。
※2【計画されたという言葉について】
「ホロスコープは神から押し付けられた運命なのだ」と考える人が大勢いますが、真相は「生まれる前に自分で立てた計画」です。(鑑定経験と自分の体験から筆者はそう確信しています)
「神から押し付けられた運命なんか絶対に受け入れられない。私は神と闘うためにホロスコープを全否定してやる」などと神様への敵対心を持たず、自分で立てた計画なのですから穏やかに受け止めてください。 せっかく自分でそうしたいと願って生まれたのに計画を反故にするとは、この人生という滅多にないチャンスがもったいなくありませんか。
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