西洋占星術初級講座(5) サインのイメージを覚える

2018年9月27日木曜日

西洋占星術講座



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全体像からサインへ

前ページではホロスコープの全体像をざっと眺めてみました。
まだまだホロスコープの解読は始まったばかりです。
初心者の方は、いったん前ページで得た全体像をメモして次の分析に進みましょう。

本来はこの一見の時点でアスペクト(星と星の角度)やハウスも見渡しておきます。
しかし慣れないうちは難しいと思います。
アスペクトやハウスを読むのは後回しにして、まずは占星術の醍醐味である12サイン(星座)から読み解くことにします。


サインのステレオタイプを頭に叩き込む

ホロスコープのうち、主に感受点の入るサインを読み解いていきます。読み解く順や感受点の意味については後ほどご説明します。
その前に、各サインがどんなものか知らなければなりません。
先に12サイン全てについて特徴を頭に叩き込んでおきます。

「他人の星座(サイン)なんか知らない。私の星座以外、どーでもいい」などと言わず、どうか全サインについて一通り目を通してください。最初は簡単でけっこうです。
自分の星座は一つなのではありません。あなたは全ての星座を持っているかもしれません。
または全ての星座を持たなくても、様々な形で全ての星座に関わる可能性を持っています。 だから星座で他人を差別してはならないし、「他人の星座なんか関係ない」などと考えてはいけないのです。

ところで12サインを覚える前に心がけていただきたいのは、「サインはまずステレオタイプ(典型的な特徴)で覚える」ということです。

世の中には、様々な星占いの本が売られています。
特に近年の流行りは、星座についての新解釈を加えた本。
自分の「星座」つまり誕生日が属する太陽星座について、イメージを拡大させるような本が人気でよく読まれているようです。

そのような本も、イメージを鍛えるためには良いと思います。
占星術はもともと哲学のベースとして、イメージ力の鍛錬のために使われていたこともありますから。

でも技術としてホロスコープを読み解くためには、あまり知識のないうちから星座のイメージを広げ過ぎないほうが良いと言えます。
特に古くからある解釈を曲げるような新解釈、たとえば
「獅子座にはクールな人もいる」※
などという他の星座と重複するようなイメージで解釈を変化させてしまうと、まともにホロスコープが読めなくなります。

何故、最近の占星術師たちが一つの星座について新しい解釈を次々と付けてしまうかと言うと、太陽星座一つだけで全てを読み取ろうという無理をするからです。
太陽だけではなく他の感受点も読み取る癖を付けたなら、星座の解釈はシンプルでステレオタイプなもので十分だと分かるはずです。

人の個性がステンドグラスのように様々な色で輝くのは、一つの星座に多くの色があるからではなく、その人が一人で多くの星座を持つからなのです。
まずは学び始めのうちに徹底してステレオタイプなサインのイメージを頭に叩き込んでください。
他のサインとすぐに区別することが出来るほどの単純なステレオタイプを、です。
それが占星術上達のための最短の道と言えます。


12サインの特徴

12サイン(星座)の解釈は近日公開します。
サインは流れで読むと覚えが早くなりますので、なるべくご一読ください。

サインを読む際に注意すべきこと

サインについて簡単な特徴を書いてきましたが、全サイン共通で言える注意点を述べておきます。
それは「サインの終わりに近い感受点は次のサインの影響を受ける」、そして「サインの始まりに近い感受点は過剰にそのサインの特徴を持つ」傾向があるということです。
ただし牡羊座などの例外を除きます。(牡羊座の初期はむしろ牡羊座らしくなく、弱々しい印象の方が多いようです)

例外は鑑定をしながら追々覚えていくものなので、とりあえず最初は大まかに上のように記憶し、注意だけしておいてください。
とにかくある感受点がそのサインに入っているからと言って、0度できっちりと線引きして、解釈を思い込み過ぎないことです。くどいようですが、ホロスコープを読むためには俯瞰思考が大切です。定規で分けたような思い込みは禁物です。

さらに細かいことを言えば、サインの中で感受点のある位置(度数)でも解釈は変わってきます。上のステレオタイプのイメージを頭に叩き込んでおけば度数ごとの変化も軸を持って読むことができます。 この軸がないと、そのつど適当な解釈を付け足すことになってしまいます。

解説

※星座の新解釈:
「獅子座にはクールな人もいる」などという解釈は、実占経験を積んだ人が、太陽・獅子座の人を観察していて「どうも一般の獅子座らしくないクールな人がいるようだ」と判断した結果として述べられたものと思います。
しかし実際そのようなケースでは、太陽ではなくアセンダントや月が風星座であったため「クール」な性質を持っていた可能性が高いと言えます。
観察者は太陽を手前に置いて奥のアセンや月を透かし見ているので、それが太陽のものだと誤解したのです。
このように太陽だけに視点を置くと、玉虫色の新解釈が生まれてしまいます。

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