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2.前世の影響を脱している
宿曜占星術が当たらない第二の理由は、すでに前世の影響を脱している人である場合です。トップで書いた通り、宿曜占星術のベースとなっているのは【月の星座】です。
この【月の星座】はギリシャ系統の西洋占星術では前世~幼年期を表すものとされます。
したがって、前世の影響から脱してしまった人は【月の星座】である宿の解釈がほとんど当たらなくなってくるでしょう。
理屈のうえでは年齢が若い人よりも、中年期以降の方にこのような人が多くなってくるはずです。
では前世の影響を脱している人の場合、どこを見れば良いのかというと【ASC/上昇点。生まれた時の東の地平線上の点、その星座】を見れば概ねその人の本質が見えてきます。
そもそも人の魂の変わりがたい本質は【ASC】に出るのではないかと考えられます。
このため古典占星術や、現在のインド占星術では【ASC】を最も重要視しているのです。
(現在主流の西洋占星術では【太陽】を基本性格と見ますが、魂の本質・個性として見るのは誤りです。⇒詳しくは西洋占星術へ)
【月星座】の影響力も確かに強く、人生が終わるまでなかなか影響を脱することが出来ない人も多いですが、【ASC】に比べればほんの一時期の通過点に過ぎません。
あるいは、【太陽星座】を見ることもあります。これは今世の半ば、最も活躍している時の行動に影響を与えるでしょう。
占星術によって性格を読み取ることは、実はなかなか繊細で難しいものです。
宿という【月星座】だけで人生の最後までの性格を決めつけてしまうのは、西洋占星術の観点から申し上げると正直ナンセンスと感じてしまいます。
ただ上記の通り前世の影響を受けたまま・あるいは増幅させて人生を終える人も多くいることは確かです。その人々が宿曜占星術を「当たっている」と感じるのだとしたら、6~7割という数字が前世の影響を受けたまま生きている人の数ということになります。かなり高い割合ですから、宿を調べることの益は大きいでしょう。
3.誕生日が間違っている
当たらない理由として考えられる例外中の例外を示しておきます。占いが当たらない理由で占い師が言うのは「禁じ手」なのですが、
誕生日そのものが間違っている
ケースです。
つまり戸籍上の誕生日と、実際に生まれた日が違うという場合です。
あり得ない!とお考えでしょう。
しかし、戸籍と事実の誕生日が異なる人は多く存在するようです。
どうしてそうなったのか。
最も考えられるのは、出生時に外国籍だったケース。
日本の戸籍法上は誕生から14日以内に出生を届け出ることが義務付けられています。さらに手続きにおいては出生証明書が提出必須書類となります(後述の通り正当な理由ある場合は無くても受理される)。このため正確な誕生日に基づき戸籍登録されていることがほとんどでしょう。
しかし外国においてはそのように正確な手続きは求められません。戸籍法で国が国民の身分を証明してくれることのほうがめずらしいと言えます。
外国では誕生日は母親の「だいたい何月何日頃」という曖昧な記憶を頼りに認識していることも多いでしょう。
いっぽう、出生時から日本国籍なのに誕生日が違うケース。
これは立ち会いの医師や助産婦にお願いして、出生証明書上の誕生日を別の日として書いてもらったのかもしれません。
当然やってはいけないことですが書類上のことです。法律家も「あり得るかあり得ないか」と聞かれれば、「あり得る」とお答えするしかないでしょう。
(※証明書を正しく書かないのは犯罪行為です。ただし日本ではよくこんなことが行われていたそうです。→4月2日の誕生日が多い謎)
または立ち会いの医師や助産婦が死亡したか、行方不明で出生証明書がない場合。この場合は出生証明書そのものの提出が免除されますので、誕生日が一日や二日程度誤って登録されることは充分あり得ます。
ちなみに、宿曜本のアマゾンレビューに
「宿曜の解釈があまりにも当たっていないので念のため母親にしつこく誕生日を確認したところ、母親が当時ヘンな宗教にはまっていて、教祖様のご宣託により誕生日を一日ずらしていたことが判明した。この占いのおかげで自分の正しい誕生日がわかった」
という体験談が書かれていました。
この体験談が事実かどうかは分からないけれども、まあ、あり得るよな……と思いました。
滅多にないケースではありますが、暦の選択に注意しているにも関わらずあまりにも宿曜解釈(ホロスコープの分析含む)に思い当たるフシがない場合は、一度正確な誕生日を確認してみると良いかもしれないです。