ASC・IC・DSC・MCも「惑星」として読み、アスペクトを解釈する

2022年10月25日火曜日

ご質問回答 西洋占星術講座 占星術コラム

占星術に関するご質問回答の記事です。


先週の日曜日にメールをくださったYN様へ、回答が遅くなりすみません。

プライベート話の返信はこちら


ASC・IC・DSC・MCも惑星として解釈すべきか?

ご質問文を引用させていただきます。

質問とは、ディセンダントを含むアルプス型のヨッドの解釈についてです。

…具体的な惑星配置は個人情報となるため省略…

このような、天体のみで構成されていないヨッドでも、強制力が働くのでしょうか。


吉野様の解釈をご教示いただければ幸いです。

そうですね、アスペクトはアングルを含めて解釈すべきかどうか迷うところですよね。


プロの占星術師の方々はASC・IC・DSC・MCのアングルを惑星として含めず、ほかの惑星とのアスペクトを読まない方のほうが多い印象です。

そもそも「アスペクトは10惑星(太陽~冥王星)だけで読むべき」という考えのほうが一般的と思います。「7惑星(太陽~土星)に限る」という極端な古典主義流派もあるようです。

このためホロスコープ作成サイトでは、ASC・IC・DSC・MCのアスペクトをデフォルトで表示しない設定になっているところも多いですね。


たしかに全てのアスペクトを読んでいると些末に囚われて混乱し、かえってホロスコープが意味不明なものになってしまいがち… という弊害はあります。

そのため細部は省き、重要なポイントのみ拾い読みしていくやり方のほうがホロスコープの“構成”がつかみやすく、より正しい解釈に近付けると言えます。


ただ私は、ASC・IC・DSC・MCのアングルはネイタルにおいてはとても大きな意味を持つ感受点※だと考えています。これは実占の経験上からも、理論上もです。

むしろ7惑星よりも重要で、まず第一に読むべきなのではかいか? と思います。

このため小惑星は後回しにしても、ASC・IC・DSC・MCは読むことにしています。


※感受点とは、松村潔氏曰く「惑星だけではなくアングルやノードも含めた表現として推奨される」とのこと。本来は、天体ではない計算上の点も「惑星」と呼びます。しかしそれらは現実に天体ではない故に見過ごされてしまいがちなので、松村氏は感受点という呼び方を推奨されているのでしょう。


何度も出るメッセージ、幾重にも重なるアスペクトの中心点は「最も重要」

さらに、そのアングルを中心として複合アスペクトが形成されている場合などは重要です。


いつも書いているようにネイタルホロスコープというものは

「過去生の経験値を表す成績表と、今世の人生計画書を兼ねている」

と考えられます。魂がこの世に生まれるときに先輩たちが持たせてくれる「来歴と使命リスト」です。


たとえるなら『はじめてのおつかい』というテレビ番組で、幼い子供に親が持たせる「住所氏名」兼「買い物リスト」みたいなものでしょうか。


だからネイタルに何度も繰り返し表現されている象意は

「先輩方から、あなたが今回の人生を送るにあたって最も伝えたいこと」

として贈られたメッセージなのだと言えます。

『おつかい』の例えに置き換えるなら、「いちばん買ってきて欲しい物」なので太字などで強調している感じですね。


もしネイタルのホロスコープで、同じ惑星を中心として複合アスペクトが重なって表れている場合、そこが

「(ガイドの先輩方から地上で生きる我々へ)最も伝えたいメッセージ

「(地上で生きる我々にとっては)クリアすべき課題または使命

となります。


その重なるアスペクトが10惑星で形成されるときはもちろん重要な意味を持ちますが、ASC・IC・DSC・MCで形成される場合は、なおさら重要ではないかと私は考えます。

それは今回の人生において、時の移り変わりでは簡単に変化しない根本的な事柄――資質・宿命を表しているのではないかと思われます。


各アングルが複合アスペクトを形成したときの解釈

複合アスペクトを成すそれぞれの惑星の組み合わせ解釈については、おそらくご自身の人生と照らし合わせれば納得できることがおありではないでしょうか。

あるいは、今は分からなくともいずれ納得できる日が来るはずです。たとえば各惑星上を、トランジットで重要な惑星が通過した際などに。


YODという複合アスペクトは特殊でして、「宿命」の現れ方は人それぞれなため、一概に解釈できないものです。このため惑星ごとの解釈など詳細は省きます。


ここではASC・IC・DSC・MCのそれぞれがYODを結ぶ場合についてのみ、簡単に触れることに致します。


ASCとYOD

本人の個性など、本質的な資質がもたらす宿命と才能を表すでしょう。

たいてい本人には無自覚な個性が特殊な人生に導くと思われます。

傍から見れば恵まれているように見られ妬まれるかもしれませんが、成功に至るまでは相当の苦悩を乗り越えなければならないでしょう。また後日、自身の才能がもたらしたものに縛られ苦悩するかもしれません。


ICとYOD

ルーツ、すなわち家系・血筋や自身の過去生からもたらされる特殊な人生を表していると考えられます。

ルーツが与えるものはギフトであると同時に、現世の自由意志を束縛します。そのため苦しむ時期があるでしょう。

おそらくそのルーツから逃れようともがけばもがくほど束縛は強くなるはず。可能なら前向きに受け入れた後に、自己の能力として研ぎ澄ますことができれば、高みへ昇ることができると思います。


DSCとYOD

対人関係、あるいは他者から「見られる」ことについての宿命を持つと思われます。

常に対外的なこと、他者からどう見られているかを意識しなければならない立場に置かれ、緊張を強いられることになるかもしれません。対人ストレスを感じられることも多いでしょう。

ただその経験は宣伝力や交渉力を磨き、優れた表現者へと導く可能性があります。たとえば芸能や芸術の才能として発揮されるのではないでしょうか。


MCとYOD

才能が公の仕事や使命へ直結する宿命を持つと考えられます。

ASCと異なり、無自覚な資質が人生を定めるのではなく確信犯的。自己の才能と限界を隅々まで把握したうえで、最大限に社会へ活かそうとするでしょう。

しかし自覚に至るまでには相当のストレスを超えねばならないはずです。なかなか高難度な人生ですが、自己でチャレンジを決めたはずですので可能な限りトライしましょう…。


以上、簡単な回答ですがご参考になれば幸いです。



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