前記事の続きで、去年末を振り返ってのコラムです。
“グレート・リセット”という占星術用語が、いつの間にか陰謀論を唱える人々の間で使われるようになっていたので驚いたというお話。
〔2/21修正と加筆〕
別館には現実政治の話がありますので、苦手な方はクリックしないようご注意ください
グレート・リセットの正しい意味
前記事で書いた通り、“グレート・リセット”とは2020年末に木星×土星の合――グレートコンジャンクションが繰り返される星座が、地のエレメントから風のエレメントへシフトチェンジする※(しかも冬至当日に水瓶座0度でグレコンが起きる)ことを指した占星術用語です。
※通常のエレメント移行だけなら「グレートミューテーション」と呼びますが、2020年冬至があまりにも特殊だったのでこのように呼ばれたのではと思います。前記事参照
エレメントが切り替わる時の人類社会は、それまでの価値観が無効にされたり、積み重ねてきた事物が崩壊してゼロへ引き戻されたりします。
そして新たな価値観、もしくは過去にそのエレメントだった時代の価値観バージョンアップ版が主流となり、社会が構築されていくことになります。
たとえば今のように地→風へ切り替わるときは、踏み固められた価値観や階級が崩壊し、独裁支配も転覆して個人の自由が実現しやすくなります。
さらに2020年末はこの転換が「終わりと始まり」を意味する冬至で起きる。ちょうど水瓶座0度で。
これは人類にとって未曽有の、最大級の変革が行われると読めます。
まさしくグレート・リセット! ……占星術的な意味では。
金融崩壊はグレートリセットの過程に過ぎない
ところが、いつの間にかジャンルを超えてこの“グレート・リセット”という言葉が使われ始めたので私は驚きました。
特に最近ネットの陰謀論者の間でよく使われているようです。
彼らの使う“グレート・リセット”とは、例によってロスチャイルドなどの財閥による陰謀を指しているらしい。
その財閥組織が金融市場を崩壊させ・資本主義の破壊を起こし、人類奴隷化ディストピアを完成させるのだと主張されています。
金融市場で莫大な富を得て世界征服してきたとされる組織が、金融崩壊を目論むとは意味不明、謎過ぎますが……。
(あの陰謀論はいつも矛盾を主張しています。世界中のあらゆる罪を全て一団体になすりつける結論が先にあるため、盛大に論理破綻してしまうのだと思います)
確かに占星術でグレート・リセットが起きるとき、金融バブルの後に経済破綻しやすいと言えるでしょう。
私も去年の未来予測で「経済破綻が起きる可能性あり」と書いています。結果、“年末に市場暴落”ということは無かったようですが。逆に現在(2021年2月)、機関投資家の誘導による株価バブルが起きているので今後注意。
しかし誰の誘導で金融バブル崩壊が実現するのだとしても、それがグレート・リセットそのものではありません。
金融崩壊は過程の一つに過ぎないでしょう。
時代の切り替わりとしての、本当の展開はその後に始まると考えられます。
歪んだ解釈に注意
ロスチャ陰謀論者のほかに「グレートリセット」を声高に叫んでいる勢力があることをお伝えしておきます。
それは社会主義革命の実現を夢見る勢力(共産主義者)たちです。
この勢力は「資本主義の崩壊」という意味で“グレート・リセット”という言葉を使い、「ついに自由主義を倒して我々が人類を独裁支配するときが来たのだ!!」と叫んでいます。
彼らはどうやら占星術の用語だと知りながら悪用しているようです。
古典思想や神々の言葉、占いなど、権威があると見られている言葉を自分たちに都合よく解釈を書き換えて悪用するのは彼らの十八番(おはこ)。
風エレメントが象徴する「自由」と共産社会主義の独裁支配は正反対なのですが、それでも「自由」という言葉の意味を書き換えてまで支配を進めようとしています。
後述しますが、この者たちが占星術ジャンルに入り込み、解釈を歪める宣伝活動を行っていますので注意が必要です。
どうか皆様、星座の正しい知識をしっかり身に付けて防衛していただきたいです。
水瓶座は「結果の平等」ではなく「機会の平等」を表す星座。個人性を失わせ自由を奪う全体主義、独裁支配が避けられない共産社会主義とは完全に真逆です。
そもそも共産社会主義は、地の時代の最盛期であった19世紀の遺物でしょう。
“風の時代に共産社会主義が実現する”との嘘を信じて地獄へミスリードされないよう、注意してください。
【関連記事】風の時代に共産社会主義が実現する!? 真相を星座の解釈から読んでみた
Qアノン陰謀論とは何か?
もう一つ、2020年には興味深い陰謀論が流行しました。
米国大統領選の裏で流行した“Qアノン”という陰謀論です。
メディアがこの陰謀論者を敵視して大騒ぎしたので、すでに皆様ご存知の言葉だと思います。
Qアノン陰謀論とは…
ざっくり言えば、
「アメリカはディープ・ステート~陰の政府に支配されている。トランプ前大統領はDSと戦いアメリカと世界を救うために現れた救世主だ! トランプが“嵐(The Storm)”を起こしてDSを一斉逮捕する」
という本筋の物語で信奉者全員の意見が一致しているようです。
レプティリアン(トカゲ型宇宙人)による人類侵略や悪魔崇拝など、スピリチュアル的な筋書きもあったり、バージョンは様々。私もSNSでトランプ支持者が語る話を目撃して知っただけなので、全てのバージョンに詳しいわけではありません。
では、“Qアノン”とはどこから発生した話なのか?
ウィキペディアによれば、2017年頃にアメリカの匿名掲示板へ「Q」を名乗る人物が書き込みをした話が始まりだそうです。
ちなみに「アノン」とは匿名者を表す“anonymous”のこと。日本の旧2ちゃんねる風に訳せば「名無し」という感じ。
始めは一人か二人の「名無しQ」による書き込みだったのが、2019年には一気に拡散して多くの人が知るところになった模様です。
このQアノン陰謀論に対しては何故か、 世界一斉に
「頭の悪い陰謀論!!」
「根拠のないデマデマデマアァァァ!!!」
という大合唱が巻き起こりました。
世界中の大手メディアが今もまだ大声で「デマだ」と叫び続けており、ネットにも「デマデマデマ」の題目書き込みで溢れかえっています。
これも非常に不自然なことです。
論理破綻していて否定が簡単なロスチャ陰謀論に対しては何故か一切反対する声が上がらない(笑)のに、Qアノンにはこれだけの過剰反応が起こるとは。不自然極まります。
【別館での解説】 陰謀論と現実予測の違いとは? デマデマ騒がれる時は怪しい
世界の情報を読むとき、過剰な反論者が現れるときはその情報が何かしら真実に触れていると考えたほうが良いものです。
特に悪貨で買収されやすい種類のメディアが一斉に反論を叫んでいるときは、たいてい彼らの主張の逆が真実。
真実と関わりない、むしろ真犯人から目を逸らすための陰謀論(たとえばロスチャ陰謀論など)は放置されます。それどころかメディアによって積極的に宣伝されるものです。
もちろんQアノン陰謀論は全て真実ではないでしょう。当たり前。
私はQの9割がデマ、作り話だと思っています。(…トランプ支持者の方々の前では大声で言えないことですが。笑)
ただ、荒唐無稽なQファンタジーの奥底に流れる本筋において、Q氏の話は世界の真実を突いているように思います。
何故にQ氏の物語は真実を突くことになったのか?
書き込みをしたQアノン氏が世界の秘密を知る天才ハッカーだったから……等ということはなくて、占星術に則った構成を持っているからです。
Qアノンが唱えた“The Storm(嵐)”の真意
おそらく最初に書き込みをしたQ氏は占星術師でしょう。
もしくは、占星術師のアドバイスを受けた作家が描いた物語だと思います。
私個人的には、無名占星術師の腕だめし、いたずら書き込みだったのではないかと考えています。
ただ、いたずらであっても間違いなく占星術師です。特にトランプ氏の支持者というわけではなく、マニア心を持つ公平な人。 占星術でチャートを読み込んだ客観的な分析をベースに創作したと言えます。
このように述べる根拠は、Q氏が唱えた“The Storm”です。
これは「嵐、暴風」を表す英語なのですが、ちょうど2020年末以降のグレート・リセット(占星術的な意味での) 、風へのシフトチェンジを表現していたようです。
肝心の
「トランプ大統領が“嵐”を起こし、陰の政府に関わって謀略を行っていた権力者たちを一斉逮捕する」
というQ物語の本筋について。
これはトランプ前大統領の出生ホロスコープが、2020年冬至と21年1月6日前後に水瓶座0度に組み込まれて非常に強力になることから、トランプ氏を「風の時代の主役」と見立てての創作だったと思います。
占星術で読めば、2019年には謀略の力が強まる象意がありました(海王星×木星のスクエア)。
また、2020年末にかけてカプリコーンクライマックスが起きました。これは占星術で言って、闇の勢力や権威主義が強まると読める配置でした。
このように惑星配置では、2020年は独裁主義と全体主義が世界を踏み荒らし、個人の権力が奪われるなどの弾圧が大手を振って行われ、不正選挙などの犯罪も堂々と行われる環境にあったのです。
人身売買や人肉食などを行う、まるで悪魔崇拝団のような「闇の勢力」が暗躍したことも確かでしょう。“DS”に限らず国際的なカルト思想集団が関わっていると思われますが。
そんな闇の勢力が増していった2020年の冬至、ついに土星と木星は水瓶座0度でリセットされます。
この日、トランプ前大統領のネイタルは大変に強力な惑星配置を持つことになりました。
〔トランプ氏 2020年12月21日 冬至のネイタル×トランジット二重円〕
*N双子座の太陽・天王星・ノード ← Tノードがヒット:運命的コンジャンクション。まさに人生の使命を果たすとき?
* N火星・ASC×T火星・天王星×T太陽・水星:火の星座でのグランドトライン。魂の力が非常に高まる
*N海王星・木星・キロン×N MC×T水瓶座0度のグレコン:奇跡的なグランドトライン。2020年冬至の水瓶座0度とネイタルがグランドトラインで結ばれている。水瓶座時代へ人々が目覚めるきっかけを創る人だとも読み取れる
※ホロスコープ画像はMyAstroChartさんで作成。アスペクト線は筆者による
さらに、2021年1月6日トランプ前大統領のネイタルホロスコープでも「風」の要素が強まる特殊な配置が続きました。
〔トランプ氏 2020年1月6日 トランジットチャート〕
*N双子座の太陽・天王星・ノード←Tノードがヒット:同上
*N双子座の太陽・天王星・ノード×T月×T木星・土星:風エレメントでのグランドトライン(大風が吹くに違いない!と読める)
Q氏はおそらくこのチャートを見て、
「トランプが嵐を起こしてアメリカと人類を救うに違いない!」
と思ったはずです。そしてQの物語を創り掲示板へ書き込んだ。
ただし1月6日の時点では、トランプ氏のネイタルへ壮絶にオポジション(180度)とスクエア(90度)を成す惑星が多かったのです。このため、多くの反対者が立ちふさがってトランプ氏の道を邪魔すると読めました。
この点、Q氏は無視したのか、または「闇の勢力の悪あがきに過ぎない」として軽視したのかもしれません。
いずれにしてもQ氏はトランプ前大統領の狂信的な支持者だったのではなく、単に天の動きを客観的に読み取っただけの占星術師に過ぎなかった、と分かります。
残念ながらQ氏の創作はほとんど実現しませんでした。このため彼(彼女)は創作家に留まることになりました。
しかしこのように占星術のチャートをもとに描いたので、本筋としては当たらずも遠からずで核心を突いてしまったのでしょう。
核心を突いているだけに、むしろ「宇宙人侵略」などの荒唐無稽な飾りは真実をオブラートに包んで脅迫しているようにさえ見えます。
隠れて罪を犯していた者たちはハッカーによって秘密が漏れたのだと勘違いして焦り、大手メディアを使って狂乱。壮絶なデマデマ大合唱を始めたのだと思われます。
嵐の到来はまだこれから
結果、トランプ氏は大統領再選を果たすことができませんでした。
海王星×木星、カプリコーンクライマックスで象徴されたような不正選挙という犯罪を破ることができず、アメリカも“闇”の政府に乗っ取られてしまいました。(もっと現実的に言うなら、C国に支援された全体主義の傀儡に乗っ取られた)
上のチャートを偏向なく読むならば、トランプ氏には始めから敵対者が多過ぎたのです。だからこのような結末は避けられなかったと言えます。暗殺されなかったことだけでも救い。
しかしいっぽうで天の時は着実に進み、地球はついに風の時代へ突入しました。
既に風向きは変わり始めています。
嵐の到来はまだこれからです。
トランプ氏の再選は叶わなかったけれども、アメリカ全土(日本や東アジアも含め世界中)で彼は想定外の人気を集め、“民意”という大風を得ました。
民意ほど強い力はありません。現実に今のトランプ氏は第二の大統領状態でアメリカの政治へ影響を及ぼしているようです。
【別館での解説】 現実で起きたこと:大規模な不正選挙~議事堂襲撃偽装、トランプ氏が民意を得てバイデン氏は国民を恐れる
私の知人の言葉を借りれば
「世界の人々に目覚めを与えたという意味で、トランプ前大統領は確かに大風を吹かせた」
とのことです。私も同意。
トランプ氏の奇跡の二重円が表している通り、彼は人類へ目覚めを与え、風星座へ踏み出すきっかけをくれたのだと言えます。
風の時代の担い手はトランプ氏だけではありません。
これから風の要素が強まっていく地球上で、自由を求める戦い・全体主義への抵抗は力を増していくでしょう。
2023年に冥王星が山羊座を抜ける頃、自由戦士たちの願いは何らかの形で実を結び始めるはずです。
天の文脈は人間の勝手な都合で歪めることはできません。
イデオロギーで解釈を捻じ曲げることなく天意を読むならば、いずれQ氏の創作のほうが核心的な意味で実現するのだと分かるでしょう。