自分を例とするためプライベートな話が多くなりますが、占星術のなかでもマニアックなほうですのでこちらで書いておきます。
※冒頭アイキャッチ図は筆者(吉野圭)のものではありません。イメージ画像として孔明のネイタルから作成。
筆者のアストロマップ図が見たい場合はお手数ですが限定公開のネイタルホロスコープからAstroClick等で作成してくださいませ。必要な個所は当記事内にて文章で表現しています。
※文中、アストロマップ上ラインの解釈はAstroClickを参考にしました。
アストロマップとは
まず「アストロマップ」とは何か? から。
簡単に解説しますと、ホロスコープを世界地図へ投影させたものです。
使い方は人の出生時のホロスコープからアストロマップを作成し、幸運をもたらす惑星のラインを探します。そのラインに近い地域へ引っ越すことで成功や金運アップ、健康増進を招きます。凶運を避けるためにも使えるでしょう。
西洋占星術ではめずらしい運命をコントロールする魔術の要素を持つ手法で、東洋占術的、風水的。近現代手法と言えますね。
(1960年代にアメリカ人が考案したそうです)
当記事では作成から占い方までの基礎の説明は省きます。
基礎を知りたい方は、たとえばこちらがとても分かりやすかったのでおススメしておきます。
リロケーションとの違い
以前ご紹介したリロケーション、これは引っ越しすることでアセンダントから丸ごとホロスコープが書き換わるのだ、という考えに基づく開運技法でした。
転生しても魂=ASCの個性は変わらなかったという自己の経験から、「引っ越しするだけで魂の根本から改変できる」との考え方は現実に合っていないと感じましたし、占星術の理屈にも合わないと思います。
何故に占星術の理屈と合わないのかというと、やはり無理やりなイデオロギーでの創作技法だからでしょう。
魂から根本的に書き替えようと考える。
別の物へ変身する、あるいは他者の運命を獲得したいと願う。
という、引き寄せへ深く踏み込んだ手法です。
魔術というよりもはや悪魔崇拝イデオロギーの「世界を根本から反転させて書き換えよう運動」から来ているようです。
もともと吉凶をコントロールしようとするアストロマップもキリスト教世界ではタブーだったはず。それでも
「自分と地域の相性を読む」
という程度の、魔術にしては控えめな?発想ですからまあ占いとしては妥当で害は低いでしょうか。(リロケーションに比べれば)
開運にはまり過ぎないこと
私も土地と自分との相性はあると実感しています。
ある地域では元気で外向的な態度をとることができたり、他の地域では内向的になったりすることがありますね。
単に語学の問題だけではなく土地の“気”、人の“気”で生きやすさが違ったりします。
だから移住先を選ぶ際にアストロマップを参考にするのは理にかなっていると言えるでしょう。
ただ、あまりやり過ぎないほうがいいと思います。
奇門遁甲などの東洋占術もそうですが、開運のために引っ越しを始めると際限がなくなります。
開運のためだけに不動産を購入したり引っ越しのお金をかけるのはもったいないです。開運にはまり過ぎて破産している人もいます。
またたとえ上手に開運できて社会的に成功し、有名人となり大金持ちになったとしても、それで魂からの幸せが得られるとは限りません。
いつも言っているように運命を操作する魔術には魂にとってのリスクが伴います。
まず欲望で運命操作しようとする考え方自体が、危険なのですね。
何故なら欲望を貪るためだけに人生計画が組まれることはまずないからです。
だから魔術で安易に運命を改変することでせっかくの人生計画が崩れ、将来的にマイナスになる(運の負債を負う)ことのほうが多いでしょう。
私は成功・開運を求めることを完全否定する者ではありませんが、ほどほどに。と言っています。
よほど人生に行き詰まったり、命の危機がある時に開運マップを参考にするのは構わないでしょう。
そもそも心の声を正しく聴き取れる人ならば「なるようになる」土地へ自然に赴く。つまり無意識に運命計画が実現される場所へ引っ越しているものです。
運命計画が実現すれば決して根本から不幸になることはありません。魂にとって、ですが。
心に従って運命計画を実現した一例
「心のまま移動していたら運命計画を実現したパターン」として分かりやすい例を。
せっかくなので冒頭に掲げた孔明(諸葛亮)のアストロマップを読んでみたのですが、人生そのままが投影されていて驚きました。
生まれ:出生した地域は月IC×土星DCの交差に近く、そこでは「孤独で困難な体験をする」とされます。現実ではその地で住民虐殺などがあり、直接に被害は受けなかったものの家族は散り散りとなって他の地域へ移住することになりました。
青年期:この時期に住んだ地域は天王星ICラインに近く、「価値観の刷新・奇抜な思想と友人関係・突飛な計画」などの象徴が表れています。そして「この地域に根を下ろして長期定住することは難しい」とのこと。
現実に全くその通りでした。
また距離は遠いですが同じ緯度で、太陽DC×木星MCの交差ラインの影響も受けています。この交差は「成功と幸運、社会的地位の向上」ということでそれも実現しているようです。
中年期:この頃に目指して定住した地域は青年期とほぼ同じ緯度上にあり、やはり太陽DC×木星MCの影響を受けています。「成功と幸運、社会的地位の向上」です。
晩年:これも距離は遠いですが同緯度に太陽DC×冥王星ICの交差があり、影響を受けています。この交差では「ゼロか百か極端な選択」をしたり「思い通りにならない無意識」が現れたりします。ですが強いパワーのある交差で、自己改革や人生の超越に力を与えます。
【総評】
まさに現実そのままが刻まれているようで驚きましたね。
もし彼が意識して開運術として使ったのならスゴイ! まるでフィクション孔明のよう!(笑)ですが、そんなことは実際ありません。まだ西洋占星術の詳細も伝わっておらず当然にアストロマップも無い時代です。
この例で重要なのは、
本人が全く意識していないのに理想的な人生=魂の計画が実現されるような地域へ移動した
ことです。
情熱に従い、忠実なる心の声に従って動けば星の象徴も反映した現実になるということ。
彼の場合は世間的に成功したと見られている人生なのではありますが、きっと他パターンの人生でも同じです。
たとえば貧しくてもプライベートを充実させる計画で生まれてきたとします。その場合、心の声に正しく従うなら「プライベートが充実する」地域に住むことになります。
(筆者の人生がそうだったようです)
これが東洋で言うところの「天道にかなう」※ということでしょうか。
※「天道にかなう」とは一般的に道徳を守っていることを指しますが、もともとの天道は星の運行、その星が示す運命を意味していました。星が示す運命つまり宇宙のシステムに沿っているということは、イコール道徳も守っていることになるはず。だから「宇宙システムに沿う」と「道徳を守る」がほぼ同じ意味となったのでしょう。
アストロマップで過去世を読む
冒頭からアストロマップにケチをつけたようで申し訳ないですが、最近ではアストロマップから前世を読み解こうとする手法も出てきているようです。
「アストロマップにも過去にいた国などが表れている可能性があるのかな?と思うのですが、アストロマップと過去世の関係について吉野さんの考えがあればぜひお聞きしてみたいです。」
に大変興味が湧きました。
これは面白いかも……!
試しに自分のマップを作成して調べてみました。
アストロマップから前世で生きた国を見つけるのは難しい
結論から言いますと、現世のアストロマップから「前世で生きた国」の分かりやすく・全人類に共通していそうな目印は読み取ることができませんでした。
とは言え今回は分析する時間が短かったため、明確な目印を発見できていないだけかもしれませんが…。
(私のネイタルアストロマップにおける明確な“前世の目印”にお気付きの方は、教えていただけると幸いです)
ただし思い当たる過去世が浮かばないのに交差点が集まっている地域は、古い人生であるために覚えていないか、曖昧な記憶過ぎて特定できなかった場所の可能性はあります。
海の上に交差が集中している個所もあり、「自分はかつてそこにあった陸に住んでいたのか? 超古代文明の時代?」 などと妄想したり…。
このような想像は楽しかったですね。
記憶があれば、前世の照合としては使えるかもしれない
というわけで記憶がない人でも自分の前世を知ることができるような目印はなかったのですが、じっくり解釈を読んでいくと、確かに惑星ラインは(今の人生に影響を与えている)過去世を正しく反映しているようです。
このためもし過去世の記憶を持っていれば“記憶の裏付け”としてアストロマップが使える可能性があります。
たとえば前世の地域がはっきりと特定できなかった場合、当たりをつけている地域の近くを通るラインの解釈を読むことで特定できる場合があるでしょう。
では私の記憶を例として書いていきます。
◆今の思想を形成した過去世には交差が集中している
私のアストロマップでは、海を除けばギリシャ周辺やその東側に交差ポイントが集中しているようです。
実際、前々世でギリシャ近辺で学び思想を形成した記憶があります。
おそらく私にとってこの過去世が最も今世への思想的な影響が強く、使命とも関連が高いのでしょう。
一つ前の前世で生きたと思われるアジア地域では「幸運」を示すラインよりも「責任」を示すラインの影響が強い。その通りの人生だったと記憶しています。
ちょうどドラゴンヘッドAC(魂に影響を強く与えているカルマ?)と火星IC(戦争+心のルーツ)が、私の最も思い入れの強い地域を挟んでいたことには鳥肌が立ちました。
また南米やアフリカにも交差が多いですが、これは古過ぎて記憶が曖昧な過去世を反映しているかもしれません。
曖昧ながらも、南米→アフリカ北部地域→エーゲ海周辺を通って西から東へ転生を繰り返してきたと記憶しています。
この通りざっと見ただけでも確かにアストロマップ上に過去世が反映されていたと言えます。
◆かつて戦争に関わった地域には火星ライン
私の過去世では二回だけはっきりと戦争に関わった記憶があります。
一回目は前々世のギリシャ時代、傭兵の一兵卒として参加した遠征。
二回目は前世、軍の中枢にいて指揮者となったときです。
私のアストロマップ上でこれらの戦闘地域の近くには見事に火星ラインが通っています。
特に前世で人生を終えたときの戦場は火星ICに非常に近く、寒気を覚えました。
この火星ラインの東側が有益(吉)らしいのですが、現実には目標地点だった東側へ到達できず終えたのでしたっけ。
少々怖くなるくらいの符合です。
◆「今世と前世の関わり」が読み解ける
前世の符合よりも興味深かったのが、今世への前世の影響です。
私のアストロマップでギリシャ周辺の他に交差が多くてエネルギーが強い地域は、意外にも日本列島近海でした。
この交差ポイントがなんと前世で最も思い入れのある地域と同緯度!
(距離は3000キロ離れているのですが、離れていても同緯度の交差は意味を持つようです)
かつて愛した国は、今住んでいる国とスピリチュアル・ラインの緯度で繋がっていたのだなあと感慨深く思います。
このように遠く離れた前世の地でも何らかのラインで繋がっているかもしれません。
特に緯度は重要らしいので皆様も調べてみてください。
◆今こうして解釈を目にするのもメッセージか
最後にもう少し自分語りをしておきます。
前世の国と同緯度で繋がっていたのは太陽×海王星の交差。
これは「直感と感性が高まる」スピリチュアルな恩恵を受けるスポットだそうです。
確かに私は前世からスピリチュアルなメッセージを受け取り続けているわけですから、このマップは現実を反映しています。
(ただし私は今、正確なその前世ライン上には住んでいません。実際その緯度上へ旅行したらどれほど強い前世発信メッセージが来るのか? 戦々恐々とします。笑)
【補足】ちなみに「前世発信のスピリチュアル通信」についてはこちら。→オーディエンス(ガイド霊・マスター霊・見物霊)について、体験まとめ
正確には前世の時限から発信されたのではなく今ここにいるオーディエンスからの直接的なメッセージですが、たぶんこのように大勢のオーディエンスがいるのは前世絡みだと感じます。
「スピリチュアルが高まる緯度に旅行したらどうなるのだろう。戦々恐々」と言っているのは、ただでさえこのような干渉があるのに、さらに通信しやすい場所に行って大勢が一斉アクセスしたら私の回線がパンクしそうという想像。ネット的な。
余談でもう一つ。
前世で思い入れのある国のあった地域で私は、太陽×海王星とともに冥王星×土星の影響も受けるそうです。10400kmと非常に遠いのですが。
冥王星×土星の解説をAstroClickから引用してみましょう…
このエリアを訪れると、様々な問題に直面し、現実を冷静に直視せざるを得 なくなります。問題や摩擦から逃げようとすると、ますます状況は悪くなり ます。ここではあなたの生活習慣や生き方そのものが深刻な試練にさらされ、 根底から見直すことが必要になります。
はい知っています! 苦笑
現実その通りトラブルに見舞われること確実なため、絶対に足を踏み入れないようにしようと昔から決めています。
占いにも表れているのが驚きであり、怖くもありますね。
占うまでもなく既に決めていたことばかりでしたが、今こうしてこの解釈を目にすること自体がガイドさん(守護霊たち)のメッセージのような気がします。しっかり心に留めておきます。
今回アストロマップについて質問して気付きを教えてくださった方へ、心から感謝です。
まとめ
プライベートな話が多くて一見様には難しかったかもしれませんが、参考になれば幸いです。
まとめておくと、
・アストロマップには確かに過去世が記されていた
・今世に対する前世の影響も記されているらしい
・ただし誰もが分かる簡単な目印はない(記憶のある人の分析には使える)
というお話でした。
ホロスコープと同じくアストロマップへの前世の表れ方はケースバイケースと思われます。
本人にしか分からない内面を反映しているため、他人が占って解釈するのは難しいかなあと思います。
ただ、自分のことなら前世を反映するラインの意味も深く分かるはず。
はっとさせられたり、鳥肌が立ったり、今いる地点の意味が分かったりと得られるものが多いので記憶がある人は自分で分析することをお奨めします。
それと上でも少し触れましたが、アストロマップはあくまでも〔今世の視点から見た過去世の影響〕と考えられます。
つまり今の人生で重要な影響を持つ地域がクローズアップされているだけで、全過去世が網羅的に記録されているわけではないでしょう。
だから前世の出生日で出したアストロマップと、今世の出生日で出したアストロマップは異なるはずです。
魂は常に同じ地域・同じ時に生まれ変わるわけではないから、これは当たり前です。
魂は人生ごと更新した計画に沿って常に移動しながら生まれるもの。
新しい場所では、それまでとは別の過去のテーマを携えています。
それでもどこか共通した部分や、続いているストーリーのような流れを持つのは神秘ですね。
魂の計画書としての占星術は深淵で、人間の計算力では遠く及ばない理(ことわり)があります。