昔プライベートブログで推測したアセンダントに基づき、諸葛亮/孔明の出生ホロスコープを読んでみます。
【誰? と思った方へ解説】 諸葛亮/孔明とは古代東洋の戦略家です。 詳しい人物紹介はこちら
【孔明の星座って何? と検索して来られた方へ】孔明の星座、ショートカット回答はこちら
長年眺め続けてきた孔明の出生図を今さら読むとは、読者様もうんざりされるでしょう。
しかし考えてみればこれまで推測のチャートは出したことがあるものの、公開の場で分析したことはなかったのでした。
ここにプライベートからの記事移動がてら、客観的にリーディングしておきます。
2021/7/4 修正追記しました
諸葛亮の出生日とネイタルチャート
信頼できる伝承によれば、孔明の出生日は光和4年7月23日とされます。
これは推命術界で伝承されている出生日で、西洋占星術のホロスコープに照らし合わせても人格人生と符合するため、確かに間違いないだろうと言えます。
現行グレゴリオ暦に変換※すると、A.D.181年8月19日となるそうです。
※古代の東洋歴からグレゴリオ暦への変換は非常にややこしいため、手計算やネット上のフリープログラムなどで行わないようにご注意を。上の計算はプロ占星術家によります(おそらくプロ仕様の高精度ソフト使用)
出生時間の推定
推定した出生図
【答え合わせの例】このホロスコープだと死亡時、T太陽がN8室(死の室)に当たる天秤座に入る。→詳細はこちら
では、推定したチャートを詳しく眺めていきます。
全体、アスペクト
この時間で設定すると全体にバランスの良いホロスコープとなり、「中庸主義(バランス重視)」※として有名な孔明の人格にも符合するのではないかと思います。
※中道は水瓶座の特徴でもありますが、やはりネイタルの惑星バランスも重要です
ただし、1室に惑星なし。
太陽をはじめとする重要惑星は右(対人)側に寄っています。
君主の劉備と深い信頼関係を結んだ人生をよく表しているのですが、「他人のことばかり考え過ぎて私生活を犠牲にした」と言われる欠点も見事に出ています。
アスペクトは多重グランドトライン(ノード牡羊座12度の場合、グランドセクスタイル)。そして人気を集める木星カルミネート。
竜巻の中心に放り込まれるような人生を表していて、現実その通りとなりました。
このホロスコープを持って生まれた者は、泣いてもわめいても有名にならざるを得ないでしょう。
アンチ工作員が「諸葛亮は有名になりたくて国民を犠牲にして戦争した」などというひどい誹謗中傷をばらまいているのですが、このチャートを見れば嘘だと分かるはずです。
(まともな思考力を持つ人なら占星図を見るまでもなく史書で分かると思いますが)
有名になったのは完全不可抗力、宿命※というものです。
その宿命が苦悩をもたらします。
この図には120度など恵まれた角度とともに90度、180度などの角度も出ています。Tスクエア多め。
特に木星と月、MCと冥王星などの対立が厳しい。公の名声が私的な領域を圧迫して苦しむことを表しているようです。
事実、晩年は膨れ上がった名声によって追いつめられ非常に苦しみましたが、そのことも既に生まれる前から“修行”として人生計画に組み込まれていたようです。
有名となる人生は最上級の修行であり、魂磨きの鍛錬であることがこのホロスコープからも読み取れるのではないでしょうか?
※宿命:ここでは人生計画のうち「変えられない運命」のこと。誰かに強制されたわけではなく成長のために受け入れる義務で本人も了承して生まれてきますが、生きている間は忘れています。
軍事的天才? …それは微妙です
孔明は東洋一の天才軍師と呼ばれていますが、この出生チャートを見るとそのことが事実だったかどうかは微妙です。
MC以外で軍事を象徴するシンボルは表れていませんし、天才性を表すYODなども弱いものが一つしか出ていません(オーブ広め、ASCとノードを入れた場合なので弱い)。
もちろんASC水瓶座だけでも分析力や合理力、計画立案力などが始めから備わっています。このため戦略家の素質があったことは確か。
ただ、「東洋一の軍師」と呼ぶにはまだ少し弱いホロスコープでは?という気がします。
これはあくまでもネイタルチャートで出生時の現況を表しているわけで、実務で磨いた結果、晩年には能力を身に付けていた可能性はあります。
たとえば筆者は前世で戦略家だった記憶を持ちます。
そんな過去を経た筆者ネイタルは壮絶な軍事、戦略シンボルのオンパレード。多重YOD持ちでもあります。(とは言え現世では何も軍事的なことをしていないので全く経験を活かしていないのですが…)
【プライベート館】 筆者ネイタル、前世反映まとめ
このことはネイタルチャートが生まれた時の現況、過去生の経験値を記した成績表のようなものであることの証明になると思います。
出生図には過去の成績とともに未来の計画も刻まれます。しかし計画はあくまでも計画に過ぎないので、よほど大きな計画(宿命)以外、必ず実現するとは限りません。
逆に言えばネイタルの才能がそれほどではなくても、今世で才能を磨き来世チャートへ刻みつけることができるのです。
“全ての努力は積み重なっていく”。
何事も消える経験はありません。
誕生時での「天才」は単に過去生で努力したというだけの凡人です。
才能がないと始めから諦めないで努力すればいい、と私が言うのはこのような死後世界を通して観た真理から述べています。
1室 魚座インターセプト、涙腺崩壊していたようです…
孔明のASCは水瓶座、基礎性格は冷静な思考タイプ。
また風と火のグランドトラインであり、感情を表す水のサインに入る惑星が一つ(蟹座の火星)しかない。
と言うことはドライな性格のはずなのですが、何故か孔明は涙もろい性格でした。
事実、諸葛亮が涙もろい人物であったことは歴史マニアの間で超有名です。
何度も引用して申し訳ないですが
意外とよく泣く名軍師
引用:『人生は格言だ! 横山光輝カルタ』より
とイジられているようです。(名標語だと思います)
戦闘においても「人道主義」だったことは確かで、 味方はもちろん敵でさえもなるべく兵を失いたくないという戦い方をしたほか、肉まんエピソード(生贄は残酷だからやめて、と言った)も前半は史実でしょう。
少数民族の将が反乱を起こしたとき、捕虜を七度捉えて七度解放したエピソードは人心掌握の策略ではなく、人道主義からです。人の権利や生活を踏みにじりたくないだけ。
つまり単純に言えば「なるべくなら酷いことしたくない」と思っていただけの軟弱な人間です。このため戦闘が及び腰で「臆病者!」と批判を浴びています。
時に冷酷でなければならないイメージの戦略家としては、どうなのかなと思います。だから孔明は何となくバカにされていて幼児キャラ化され弄られたり、アンチが大量に増えてしまうわけですね。
何故、ホロスコープ上はドライなはずなのに涙もろかったのか。
鍵はインターセプトでしょう。
インターセプトは本人が意識できない性質を表しています。特に1室インターセプトはパーソナルな面で無意識に大きな影響を与えると考えられます。
孔明の1室後半を占めるのは魚座でありインターセプトとなっています(プラシーダスの場合)。魚座インターセプトは、とめどない同情心を心の底に持ち、 本人もコントロールできない感情に苦しむ場合があることを表すようです。
ASC水瓶座には、たまにこのような同情心が強いタイプがいます。
水瓶座は人道主義者、人類愛の強い博愛主義者――と言われているものの、それはひょっとしたらASCが水瓶座で魚座インターセプトの人を観察しての話かもしれません。
合理思考がベースにあるのでボランティアに溺れたりはしませんが、人類愛が強過ぎるゆえに過激な思想家になる人は時々いますからブレーキが必要です。
比較:
前回読んだマルクスも魚座インターセプトの水瓶座でしたが、 彼はどういうわけか同情心の欠片も持ち合わせない非人道主義者でした。
おそらくマルクスも元々は人類愛を持とうとしていたのに、アイデンティティを踏みにじられる体験をしたので愛が憎悪へ、人生の目的は「破壊」へと変わったようです。
本来は人を救うために使うべき水瓶座の合理思考を、破壊という目的のためだけに使った(そしてその目的を隠すため詭弁を用いた)残念な水瓶座と言えるでしょう。
その他、惑星(感受点)の分析
ASCのサビアンシンボル
度数がはっきりしないのですが候補を分析しておくと、
水瓶座15度の場合『フェンスの上のラブバード』
理想の伴侶を得る。極端に走らない中道主義、俯瞰主義。ランドスケープで全て見渡す、司令塔に向く。
…ということで、孔明の人生にはこれ以上ないくらい当たっているシンボルです。
ただネイタルにしてはちょっと完璧過ぎるくらい未来を表したASCである点、気になります。
水瓶座14度の場合『トンネルに入る列車』
要領が良い、無駄を省く、下積みから苦労せずにいきなり出世する。
…など、こちらも孔明の人生前半を表しているようです。
16度『机に座っている偉大なビジネスマン』
17度『ガードをしている番犬』
も遠目に見たイメージとしては合っていますが、本人のプライベートな人格を表しているかというと疑問なので除外して考えています。
太陽の室とサビアンシンボル
太陽が7室であれば結婚または仕事でベストパートナーを得やすいほか、その伴侶と生きることが人生の意味だとさえ感じらます。“忠臣の鑑”と呼ばれた孔明には妥当な太陽ポジションだと思います。
また、7室の太陽は宿敵の存在を表すこともあるようで、確かに妥当と言えるでしょうか。
サビアンシンボルは
獅子座26度『虹』
天から与えられた役割がある。そのことを認識させられるような人生。
…はい。そうだったのでしょう。後世から結果を見れば、とても当たっている太陽シンボルと言えます。
なお、獅子座の太陽は表に出て公に自分を見せる課題があることを表しています。
ASC水瓶座の人は表に出たがらないのですが、孔明は劉備に引っ張り出されることで表に出てキャラクターを演じた。
ASCと180度の難しい課題をこなすことができたと言えるでしょう。
土星、天王星 意外とプレゼン力あり
引っ込み思案で名高い孔明ですが、サビアンシンボルを見ると意外とプレゼン力があったことが分かります。
たとえば土星、
獅子座12度『宵の芝パーティ』…自己アピール力が磨かれる。
土星なので自己アピールに苦手意識を感じていますが、ここぞという時には発揮されたでしょう。
天王星、
牡牛座『ビーズを売るインディアンの女』…多少押しつけがましいところはありますが、自分たちを売り込むプレゼンテーションの力があります。
自分自身ではなく「自己が所属している共同体の」持ち物を売る力を持ち、しかもこれがICに近いところにあります。さらに天王星ですから変革の鍵となります。
おそらく赤壁で呉へ赴いて劉備陣営をプレゼンテーションしたときは、この力が発揮されたのでしょう。
ドラゴンテイルへ向かって生きた人生
4/9追記です。
月のノースノード(ドラゴンヘッド)はソフトにより少し計算結果が異なりますが、サビアンシンボルやアスペクトなどを考えると、牡羊座12度が正解だと思います。
その場合ノースノードのサビアンシンボルは
牡羊座13度『成功しなかった爆弾の爆破』。
対応する過去生では、独裁者に抗って革命を起こそうとしたものの不発に終わっています。
この人生ではヘッドをそのまま繰り返さず、孤独に閉じこもること(牡羊座)をやめて仲間とともに生きることを優先したようです。
サウスノード(テイル)のサビアンシンボルは
天秤座13度『シャボン玉を膨らませている子供たち』。
様々なアイディアを試してみる。何やら楽し気なシンボル。
天秤座のノードは他の人々と一緒に生きることを表していますが、この人生ではそんなテイルへ向かうことを選択したようです。そのためカルマを解消してホロスコープの象徴を全て活かしきるような人生を送っています。
死後のイメージ… 祭りは終わらない
他の惑星は省きまして、最後に死後イメージを表すDSCを検証します。
絞り込みのところで書いたように獅子座15度『山車』は、死後イメージを表すシンボルとして寒気がするくらい妥当です。
生きているときからお祭りの山車のように大騒ぎされ持ち上げられた人生。
孔明の死後100年後にはすでに、文字通りの山車へ“孔明人形”を乗せて練り歩くお祭りが行われていたようです。
もう一つの可能性、獅子座14度『表現の機会を待つ人間の塊』。
理想的なシチュエーションを得て自己表現すること。集団を誘導することにも関係している。
これは周囲の反応と言うよりは、本人の生き方として妥当な部分があります。
長年このシンボルについて考えてきた私が今、ファンとアンチの狂乱を眺めて思うのはやはりDSC『山車』のほうが腑に落ちるなということ。
なにしろ死後1800年経った今もお祭り騒ぎが終わりません。ファンとアンチはまるで孔明が生きているかのように騒ぎ続けているわけです。
(日本では「転生」した扱いになっていて政治的な誹謗中傷の餌食になっている)
狂乱する彼らへ冷ややかな視線を注ぎつつ、私はこの死後状況も孔明の宿命であったと考えています。
理由あって1800年もの長い間『山車』に乗せられているのでしょう。
そのお役目が終わったとき晴れて「オワコン」になるのではないかと思います。