YODとは「神の手」による宿命か天賦の才か? 運命ハードトレーニング

西洋占星術講座 複合アスペクト

前記事トールハンマーに関連し、似た複合アスペクトのYOD(ヨッド、ヨード等)もここで分析してみたいと思います。

これは60度(セクスタイル)を成す二つの惑星に、一つの惑星が150度(クインカンクス、またはインコンジャンクト)をとる複合アスペクト。二等辺三角形が鋭角となった形状です。

60度の代わりに30度で形成された変則YODもあります。この場合もYODに準じて解釈します。


【複合アスペクト:YOD図】



ナイフのように鋭角な見た目から不吉さを感じる人が多いでしょうが、よく見ればイージーの60度と、ハードとは言い切れない150度で形成されているため悪いことばかりのアスペクトではありません。

トランジットでの作用は遅延型で弱い(分かりづらい)ので、この記事では主に個人のネイタルにYODがある場合について考えていきます。

〔アイキャッチ画像はWikipediaよりミケランジェロ,アスペクト図はACみさとんさん〕

ハードとイージーの複合は鍛練を表す

先に角度から分析していきます。

150度はハードで一般的に凶、60度はイージーで一般的に吉。「吉凶が混ざり合った複合アスペクトなので解読が難しい」と言われています。

ただ、吉凶で分けずにこのように解釈すれば、解読の糸口も見えてくるのではないでしょうか。

◆150度 … エネルギーの引き合い(静止)、管理・鍛錬・封印
◆60度 … エネルギーの高め合い(活動)、援助・調和・協力

一般に凶とされるアスペクトは惑星同士が引き合い、または抑え合ってエネルギーが静止している状態を表します。90度や180度が恐れられるのは、静止され抑え込まれたエネルギーが何かのきっかけで爆発したときに強い作用をもたらすからです。

150度の静止は強いものではありませんが、惑星の動きをそれなりに制限します。敵対して傷付け合うというよりは、お互いを鍛え合ったり、保護のためにブレーキをかけるイメージです。

いっぽうのイージーアスペクトは惑星同士のエネルギーが調和して活動的になります。一般に「吉」とされていますが、ブレーキが利かないために活動が大きすぎると暴走して止まらなくなる恐れもあります。

60度の惑星同士は元々仲の良い友人同士が、お互いの欠けているところを持ち寄って助け合うイメージ。惑星同士のエネルギーが高まり結果を出します。30度の協力関係はそれよりやや弱くなります。

以上のことを考えると、YODは60度を成す二つの惑星が150度で一点の惑星を管理して訓練しているように見えます。

松村潔氏はYODについて「二つの天体(惑星)の複合された目的のために一天体が調練・訓練される」または「使役される」と述べています。
たしかに二惑星が何かの目的のために一惑星を鍛え上げ、使おうとしているのでしょう。

やはり弓矢にも喩えることができるエネルギーの待機状態と言えます。
頂点の惑星が発動の引き金となるトールハンマーとは逆で、60度同士の二惑星のほうが目的を持っているようですね。

では、次項からはこの複雑な複合アスペクトが実際の人生でどのように表れてくるのか考えてみます。

「神の手」とは形状だけではなく宿命的な人生から

YODの通称「神の手」または「神の指」とは、三点の惑星がY字となって手のように見える形状から名付けられたもの。
ただトールハンマーの「神の槌」と同じく、この名にも占星術師たちの経験が投影されていると思います。

YODをネイタルに持つ人が、逃れられない宿命を強いられる事例は昔から観察されてきたようです。その人々の人生がまるで「神の手に絡められたようだ」と思われたため、形状にも因んでこの通称が与えられたのでしょう。

YODの宿命は「怪我の功名」となりやすい

神の手に絡めとられたような宿命、と言うと恐ろしく感じられるかもしれません。
しかしYODがもたらすその宿命は始め不幸に感じられても、結果として「怪我の功名」となりやすいのです。

たとえば病気になって仕事をやめざるを得なかったが、そのために新しい事業を始めて成功するとか。
精神的な葛藤の苦しみのなかで小説を書いていたら世界的作家になってしまった、とか。
愛する人を失った絶望を感じているときに作った曲がYouTubeで億越えの再生数を獲得し、紅白に出ることになってしまうとか。

…等々

今現在、事故や病気などになって不幸の真っただ中にいると感じられている方へ、この話はしづらいものがあります。そのような状態の時にこんな話をされたら怒りを覚えるでしょう。
しかし、いずれ振り返ってみて「あの時の苦しみはこの才能を磨くためにもたらされたのだ」と自分で思える日が来るはず。(必ずしも名声で報われるとは限りません)

YOD持ちの方はぜひ、この話を頭の片隅にでも残しておいてください。

神を恨むことなかれ。人生計画は自分で決めるのです。

全ての運命はトレーニング

実は全ての人生シナリオは魂のトレーニングのためにある、と言われています。
転生記憶を持つ著者自身の体験からも、確かにそうだと言えます。

地上で体験する幸福なことはもちろん、不幸な出来事も全ては「魂磨きのため」。と言うと何だか宗教のようですが、自分自身の体験から得たこの考えは占星術を眺めていても裏付けられると感じます。

ただし、過去世・現世・来世の三次元の視点を持たなければこの摂理は見えてこないでしょう。
一度の人生だけでは「魂磨き」の結果は見えないので、ホロスコープ通りに不幸が実現した人は不幸なまま亡くなったように思えます。しかし実はそうではない、ということです。

魂磨きの結果は永遠に蓄積され、来世に持ち越されていきます。

なかでもYOD持ちの人はこの“運命プログラム”のうち、過去世までにハードなトレーニングのメニューを選択してきた「努力家」だと言えるでしょう。
だから高級霊に見込まれ、今世では優等生として“役目”を負わされている可能性が高いです。それで地上の感性では思いもよらないと感じる宿命にいざなわれ、「怪我の功名」としての役目を果たすことになるのでしょう。


YODが「天才」と呼ばれる理由は、過去の経験のおかげです

YODは「逃れられない宿命」を表すとともに、「天から与えられた才能」を表すとされます。

YOD持ちの名を挙げれば、確かに天才と呼ばれるタイプが多いことが分かるでしょうか。

ヘルマン・ヘッセ
三島由紀夫
鈴木一朗(イチロー)
新庄剛志
浅田真央
米津玄師
等々…

ただ順風満帆な人生を歩む人というイメージではなく、もともと能力はあったとしてもさらに磨きをかけた努力の人、苦悩の人、などという印象の人が多いようです。
YODが発揮する才能は「苦悩に鍛えられた結果」とされるのは、このような実例を観察して言われていることでしょうか。

天才とは、過去生の経験のこと

YOD持ちの人たちは現世でも苦労によって才能を開花させますが、優れた能力の片鱗は幼い頃から観察されることが多いはず。

何故、YOD持ちは生まれつき才能を持つのか?
その鍵は過去世にあります。

人が生まれつき他者より秀でている才能というものはほとんど、実は過去世に積んだ経験の結果です。
つまりその技能や事柄に対して過去の経験値が高いために、他者に比べてそれが得意だというだけのこと。ごく当たり前のことです。

もちろん生物学的には「人の能力は99%遺伝子で決まる」という実証もありますが、その遺伝子を生まれる前に選ぶのも自分自身やガイド霊です。
…などという話はスピリチュアル本をかじって適当に言っているわけではなく、私自身の体験で述べているものです。

スピが嫌いな人には信じてもらえないでしょうが。
少なくともネイタルホロスコープは出生時での現況を表すものだ(ネイタルに人生計画は刻まれているが結果そのものではない)ということは、以下の事例で証明できるでしょう。


孔明は東洋一の天才軍師と呼ばれていますが、この出生チャートを見るとそのことが事実だったかどうかは微妙です。
MC以外で軍事を象徴するシンボルは表れていませんし、天才性を表すYODなども弱いものが一つしか出ていません(オーブ広め、ASCとノードを入れた場合なので弱い)。

もちろんASC水瓶座だけでも分析力や合理力、計画立案力などが始めから備わっています。このため戦略家の素質があったことは確か。
ただ、「東洋一の軍師」と呼ぶにはまだ少し弱いホロスコープでは?という気がします。
これはあくまでもネイタルチャートで出生時の現況を表しているわけで、実務で磨いた結果、晩年には能力を身に付けていた可能性はあります。

たとえば筆者は前世で戦略家だった記憶を持ちます。
そんな過去を経た筆者ネイタルは壮絶な軍事、戦略シンボルのオンパレード。多重YOD持ちでもあります。(とは言え現世では何も軍事的なことをしていないので全く経験を活かしていないのですが…)

【プライベート館】 筆者ネイタル、前世反映まとめ

このことはネイタルチャートが生まれた時の現況、過去生の経験値を記した成績表のようなものであることの証明になると思います。

出生図には過去の成績とともに未来の計画も刻まれます。しかし計画はあくまでも計画に過ぎないので、よほど大きな計画(宿命)以外、必ず実現するとは限りません。

逆に言えばネイタルの才能がそれほどではなくても、今世で才能を磨き来世チャートへ刻みつけることができるのです。 

“全ての努力は積み重なっていく”。

何事も消える経験はありません。

誕生時での「天才」は単に過去生で努力したというだけの凡人です。
才能がないと始めから諦めないで努力すればいい、と私が言うのはこのような死後世界を通して観た真理から述べています。



ブーメランYODについて

最後に、最近語られるようになった複合アスペクトについて触れておきます。

YOD+180度オポジションを「ブーメランYOD」と呼ぶようです。YOD頂点の惑星にオポジションを成す惑星がある場合ですね。

すみません、私はこれを把握していませんでした。
おそらくカイト(グランドトライン+180度)と同じように「きっかけ」や「方向性」を与えられる感じかなと思います。
または「ブーメラン」という名が付けられているので、トールハンマーのように飛び道具としての目的達成力を増すのでしょうか。

もともとYODの効果は蓄積型・遅延型。
このためトランジットでYODが形成される場合はあまり大きな出来事を表しません。影響が遅れるから分かっていないだけかもしれませんが。
(だから今までの占星術ではマイナーな複合アスペクトとされ、重視されてこなかったのですね)
しかし、ネイタルにYODを持つ人がトランジットで「ブーメランYOD」をもたらされる場合は人生が変わる可能性が高まるようです。

YODの才能は特殊であることが多いので、YODを活かせる分野は「針の穴よりも小さい」と言われています。
その巡り合うことが難しい天職を探す手がかりとなるのが、ブーメランYODを成す惑星なのかもしれません。

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