アメリカのプルートリターンを観測する。自由主義国は滅亡するのか?

2022年2月22日火曜日

ASC射手座 マンデーン 占星術コラム

〔プライベート館で以前書いた『アメリカは滅亡するのか? 冥王星リターン…』の詳細です〕


アメリカ合衆国のプルートリターン(冥王星回帰)が到来しました。

つまりアメリカが生まれたときの冥王星に、今の空を通過している冥王星がぴったり重なった。これにより「2022年2月22日にアメリカ滅亡するのでは!?」と騒がれています。


★ホロスコープは下画像参照。現在、2022年2月22日の二重円です。アメリカ始原図は最もポピュラーな説によります(Astrodienstより)。この始原図についての余談は記事の最後。


正確には始原図の冥王星とトランジット冥王星が重なったのは少し前からですし、今後も繰り返されます。それでも本日の「2022年2月22日」が話題となっているようです。

何故なら一目でお分かりな通り、西暦で「222222」と2が6つも重なるからでしょう。


数字が力を持つと信じられている神秘主義では、この日は特別な活動力を持つと考えられています。特に、2の重なりは大きな活動力を持ちます。

(私も西暦における数字の重なりには意味があると実感している者です。おそらく西暦のカウントは、スピリチュアルな秘密に基づいて定められたはず)


そんな神秘の数字の重なりが、たまたま?冥王星回帰と重複したために占星術・スピリチュアルの両ジャンルにて「何か破滅的なことがあるかもしれない」と騒がれ、話が大きくなっているのだと思います。

ただ後半で書くように偏った噂が大々的に流されている際は、誰かが糸を引いている可能性もありますが。


何故、冥王星回帰で「滅亡」と騒がれるのか

そもそものお話です。

何故、冥王星回帰で「国家滅亡」と言われるのか?


冥王星はご存知の通り「破壊」を表す星。この冥王星が、生まれたときの冥王星に重なる――戻ってくる時、そのホロスコープを持つ者は破滅的なダメージを受けて滅ぶとも言われています。


なお、冥王星は約248年という周期で天空を一周しますので、長くて100年ほどしか生きられない人間がこの冥王星回帰を経験することはありません。

だから冥王星回帰の影響を受けるのは国家や企業などの集合体ということになります。


このプルートリターンで「国家滅亡」した事例としてよく持ち出されているのが、日本における江戸幕府“滅亡”のようです。

一般に江戸幕府は1603年に開かれ、大政奉還の1867年に終焉したとされます。ものすごくアバウトですが、確かに終焉前に冥王星が回帰しています。すでに1853年に黒船来航していますので、幕府崩壊はかなり前から始まっていたと思われますが、大きな視点から「江戸幕府は冥王星回帰を挟む時期に終焉へ向かった」とは言えそうです。…ちょっと苦しいけど。


ただその時に日本国という国家が滅亡したわけではありませんし、天皇制が滅んだわけでもありません。言わば、征夷大将軍という役職にあった人がその地位を奉還しただけです。

確かに徳川家を事実上のトップとする権力組織は解体されて日本の体制は変わり、内戦も幾つか起こりました。しかし冥王星が示す「破滅」の表現に合うほど徹底的な破壊が行われたでしょうか? 徳川家の英明な決断のおかげで、そうはなりませんでしたね。


だいいち日本国も建国から2682年※、その間10回ものプルートリターンを経験しています。何度か滅亡の危機がありましたので、もしかしたら冥王星の影響は受けていたのかもしれません。しかしこうして千年以上も続いた国が存在している事実(実態はどうあれ史実として)は、「プルートリターンの破壊を回避することは可能だし、再生することも可能だ」という実例になるでしょう。

※建国から2682年:これは明治政府が定めた皇紀による計算です。古代では今の半年を一年と数えたそうなので、実際にはこれより少ないはずです。しかしそれでも1500年以上続く国。日本は世界的に見ても驚異的に長い歴史を持つ国だと言えます。


他にも同じく、冥王星のリターンを受けながら滅亡していない国・組織は数多く存在することと思います。

占星術の象意は全てそうなのですが、アスペクトが形成される時期は「それが実現する準備が整った時期」や「その傾向が高い時期」等という意味になります。確実に100%実現する象意などありませんので、絶対そうなると思い込み過ぎないことです。

ただ占星術を手掛かりとして、少し先の未来に対し心の準備をすることは有益だと言えるでしょう。


冥王星が回帰する頃は確かに

国家・組織がダメージを受けやすい時期

と言えます。

それは実際、栄枯盛衰の摂理にも適った読み方だと思います。


漢国の前例で体制の“寿命”を見る

私が歴史を眺めて思うに、国家体制の“寿命”はおそらく約200年前後でしょう。

これは建国当初の体制そのまま、国家を運営していく限界が200年程度だからだと思われます。


実例として、古代中華の漢という国が挙げられます。

漢は約400年続いた国でしたが、「前漢・後漢」と分けて呼ばれていることからも分かる通り、途中で「新」という国に政権を奪われています。言わば一度滅ぼされてから蘇ったわけです。

この前漢が皇位を奪われた時点で建国から214年が過ぎていました。冥王星リターンには少し届きませんが、国家寿命200年前後の法則に合っていると思います。

新を倒して復興された後漢も末には紛争で崩壊に向い、史書においては195年で滅びたことになっています(諸説あり)。これも同じく、寿命200年前後の法則に適います。


おそらく建国当初の古い体制のまま政治を続けていくと、当初の理念が失われ権力を持つ者たちが腐敗し、不満を持つ者たちが内乱を起こすようになっていくのでしょう。その腐敗するまでの限界が、国を構成する人々が三世代を経た200年~250年頃なのではと思います。


つまり人間の寿命が約80年で天王星リターンと重なるように、国家の寿命もまた冥王星リターンと重なるということでしょう。


しかし人間の肉体と違って、国家などの組織体にとって「死」は避けられないものではありません。当初の理念に立ち返り、内部を一新するなら体裁を保ったまま「再生」することが可能です。

たとえば日本のように。

日本という国は、国家の本質(天皇制)を保ったまま政権を担う者だけを変えてきたために千年続いている。これは島国ならでは、異民族に蹂躙されることがなかったという特殊事情に助けられての幸運かもしれませんが、国の寿命を延ばす方法としては最善にして唯一のやり方でしょう。


伊勢神宮の遷宮はとても分かりやすく「再生」を教えていますね。

遷宮は建物などを一新して“生まれ変わらせ”ることで、常に若く新しい状態の宮を受け継いでいきます。あれは神社という壮大な建造物を用いて、国家も常に再生していくべきだということを示す教えなのです。(あるいは、人の魂が生まれ変わり肉体は新しくなることを表しているとも言えます)


ただし伊勢神宮も“神”を奉るという理念を失ってしまえば本質から滅んだことになります。

国家も同じ。

アメリカの場合で言えば、自由主義という理念を失えばいくら表向き「アメリカ」と名乗っていたとしても本質から国が滅んだことになるでしょう。


アメリカの未来はどうなる?

さて、では現実にアメリカの未来はどうなるのでしょうか。


今のアメリカが大変な危機に直面していることは否定できない現実です。

ここ数年BLM(左翼運動)台頭やアンチ・ファシズム(極左暴力集団)の跋扈、それら左翼のプロパガンダに誘導されたキャンセルカルチャーによって、アメリカ建国当初の自由理念は踏み荒らされてきました。

さらにコロナウイルスの流行で多くの人が亡くなり、全体主義の統制システムに共鳴する人々が増え一気に左翼化が加速しました。


極めつけは2020年の大統領選挙でした。日本では想像もできないことですが、稚拙な穴だらけの選挙法によって“投票を操作した偽装選挙”で大統領が生まれるという、民主主義の根幹を否定する出来事が起きました※。

現在ではアメリカ一般国民同士の左右分裂も深刻のようです。左翼集団が独立国家のように一帯を支配し、住民に暴行を加えている地域もあるとか。このことは日本ではほとんど報道されていませんが、アメリカの現状はこのまま内乱状態へ移行するのではないか――左翼の計画通りに――という見方もあるほど深刻です。

今ではインフレが続き金融崩壊の危機も目前です。

ここへウクライナ危機が加わればアメリカ経済も衰退、分裂必至。計画通りの敗戦革命論によって本格的な内戦へ突入、「革命」という名の体制破壊が実現し、アメリカが共産国へ変わってしまうことも充分あり得ます。

そうして独立宣言が否定され憲法も潰されたなら、もはや「アメリカは滅んだ」と言えるでしょう。


※メディアは2020年末~2021年初頭アメリカで起きた出来事を正確に正反対にして報道しています。ほとんどの日本人がその反転させられた話を鵜呑みにして、「トランプが言いがかりをつけて暴動を起こしたのだ」と信じ込んでいることでしょう。ここはその種の政治話を議論する場ではありませんので説明は控えますが(詳しくはその当時にメモしたこちらの記事などをお読みください)、「正反対」「反転」をメタファーのシンボルとして全てが遂行されていることは、占星術・スピリチュアル知識のある人なら気付くべきです。



このまま行けば、占星術の予言通りに回帰した冥王星によって破壊され「アメリカ滅亡」してしまうのではないか?とも思えます。

でも本当にそうでしょうか。

少し冷静になって観察してみれば、この予言には何か裏がありそうだと感じ取れるはずです。


現実事象には世界の占星術師が関与している…?

ここは私の推測ですが。

今このように占星術とアメリカの現実が連動しているように見えるのは多くの占星術師による関与があるからでしょう。

“関与”とは具体的に言うと、「アメリカ滅亡は占星術で予言されている」というプロパガンダを流すことです。


政権が倒れるとの噂を流して社会を混乱させる。そして世論を自分たちの有利に誘導する。――これは革命者の謀略として昔から用いられてきた作戦です。

中華でも、革命を起こす前には何故か「現政権が崩壊する」との予言が書かれた石が発掘(笑)されたりします。当然ながら革命を企てる者がその石を作るわけですが。黄巾乱の時の『蒼天すでに死す』と記された碑もその類の予言だったでしょう。


今回の「回帰した冥王星がアメリカを滅ぼす」という予言について言えば、当然ながら左派から湧いて左派が大々的に広めているものと思われます。アメリカを敵視する中国共産党の工作員も噂を広めるのに加担しているはずです。

目的としては、左翼(共産主義)革命を実現すべく「自由資本主義のアメリカを打倒すること」。

前世紀から何度も繰り返してきたワンパターンのお題目ですが、今回は最後のチャンスだと自覚しているのか死に物狂いで噂を拡散しています。


おそらくそのような謀略を察知した欧米トップの事情通たちが、冥王星を惑星から格下げして抹消したのだと思われます。

秦の始皇帝なら予言石が発見された地域住民を全て虐殺してしまうところですが(これは史実あったことです)、さすが現代の欧米はそのような非人道なことはできず、学術的な理由をつけて惑星を殺すだけに留めました。それだけでもどうかと私は思いますが。


しかし占星術では学会が惑星を殺しても効力はいっこうに変わりません。なにしろ人類が発見する前から効力を持っていた冥王星なのです、人間が消しても無駄。

同じく、世界共産革命を企てる者たちが、いかに占星術解釈を書き換えてメディア工作員を用いて大々的に宣伝したとしても運命が変わることは決してないでしょう。自己都合での“引き寄せ”なんて、占星術では通用しませんよ。


【参考】水瓶座時代を「共産主義実現の時」と書き換えている者たちの野望は実現しない


まして、世の大勢の人々の願望に反する予言が効力を発揮することはないでしょう。

たとえよく仕組まれた謀略であっても、人間の本心に反し天の理に反する工作は実効力を持たないのです。



アメリカの未来について個人的見解

結論です。

私は今回の冥王星回帰によって、アメリカの自由主義が滅亡することは無いと考えています。


アメリカは国家としてすでに相当のダメージを負っており、これからもっと困難に見舞われることでしょう。

しかしアメリカの理念が死ぬことはない

たとえばアメリカの体制が解体され、一時期「共産国」へ変わってしまったとしても、自由主義の理念は再生して蘇ると思います。

(たとえば前漢が滅びても後漢として蘇ったように。漢民族が死に絶えた現代でも、漢の理念が東洋に根付いて度々蘇るように)


ここは希望的観測ではなく、純粋に占星術の解読から述べています。

何故なら、冥王星回帰はその組織の外殻を改変したとしても、根本の「魂=理念」までは壊さないからです。それどころか古びた外殻を壊すことによって、封印されていた理念が息を吹き返し蘇ることもあります。これが「再生」です。

冥王星回帰のときにはこの「再生」が実現しやすくなると思います。


むしろ、太陽やアセンダントへの冥王星ヒット(合)のほうが根本的な改変をもたらします。

太陽へのヒットは国の“命”である国民へ大きな被害をもたらすでしょうし、アセンダントへのヒットは国家体制を根本から破壊して、全く新しいものへ生まれ変わらせるでしょう。


このような理由で、私はこれからアセンダントへの冥王星ヒットを迎える中華人民共和国のほうがアメリカよりも危機に陥る可能性大と読んでいます。

今年の末まで中国は勝利を確信して最大限に調子に乗るでしょう。しかしいつの時代も、調子に乗っている愚者の足元は崖っぷち。

善意の叫びに一切耳を貸さず傍若無人で浮かれている愚者は、奈落の底へ墜落する運命なのです。


【関連記事】中国共産党・中華人民共和国のチャートを読む


余談。どの始原図が正解か

最後になりますが、アメリカのチャートについての余談です。


アメリカ始原図には幾つか説がありますが、ASC射手座が最もポピュラーであるし実態に近いと私は思います。

現代は太陽中心主義なので「アメリカは蟹座の国!」と当たり前のように言われますが、皆さん本当にそう思いますか? 

国民全員が家族のように濃密な絆を持ついっぽう、全体主義となりがちな蟹座とは少しイメージが違う国でしょう。

それよりもチャレンジ精神旺盛・若々しく快活な開拓者、なおかつ負けず嫌いの戦闘好き(議論好き)――こんな射手座のイメージのほうがアメリカにぴったりです。


ASCは外見しか表さないのだという誤解のもとに、「射手座らしさはアメリカの第一印象に過ぎない」、と主張される方もいるかもしれません。しかしASCが必ずしも外見だけと言えないのは、アメリカの歴史および現在現実が、とうてい蟹座らしい一体感を持つ国とは呼べないことからも分かるでしょう。これでも「アメリカは蟹座の国」と言い張るのはあまりにも現実を無視し過ぎ、サインの特性を無視し過ぎのごまかしです。


【関連記事】ASCサインは“外見”を表さない


実は建国に携わった人々は他のASCで設定したかったらしく、そのため様々なホロスコープが主張されているようです。しかし彼らの思惑に反し、何らかの不可抗力で射手座となってしまったのかもしれないですね。

もちろん建国者たちが設定したかったASCによる特性もアメリカは持つと思います。そのあたりが「アメリカの闇」などとおそらく呼ばれている部分でしょう。ただし、総合で観察する限りアメリカ国民にはASC射手座が優先されています。


中国始原図の記事で書いたように、人為よりも不可抗力なホロスコープ※のほうが占星術では本質を表すと言えます。

ここでもまた繰り返しとなりますが、運命は人間の姑息な工作をしりぞけるということです。


※不可抗力時間によって刻まれたホロスコープは、過去のカルマ(組織の場合は構成員の思想理念と行動)から計算された厳密な現況を表します。未来の運命を回避することは可能であってもカルマは消えず、現況を変更することはできません。まして、「懺悔」や「プロパガンダ」など小手先の工作で過去を書き換えられるわけがないでしょう。歴史修正は不可。運命を作るのは現実の行いだけ。未来を善きものにしたければ、善行を重ねるしかないわけです。



追記 ロシア、事実上の軍事進攻を断行

投稿後の追記です。

案の定ですが本日、ロシアはウクライナの親露派二州へ自称「平和維持軍」を派遣。事実上の軍事進攻を決断した、というニュースが流れました。

後世の歴史家は2022年2月22日を世界が変わった日の起点とするでしょう。

やはり何か、ロシアと中国は占星術師と相談しながら動いているように感じられますね。そうでなければアメリカ滅亡と自分たちで予言している時期に合わせることなどあるでしょうか? 

もちろんプーチンは習近平とも相談していて北京オリンピック閉幕に合わせて動いたわけですが、その日程もかなり前から中国における2022/2/21で定められていたように思います。(ロシアが2/22には行動開始できるように)


【去年末の読み。別館記事】新株ウイルスの動きで読む、ロシアと中国の綿密な計画


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