『前世療法』ブライアン・L・ワイス

2018年10月1日月曜日

書籍紹介 生まれ変わりに関する、基本的な話



ワイス博士の『前世療法』は、現代の生まれ変わりに関する書籍として最も有名な「基本書」と言えるでしょう。
当サイトでも一番多く触れているかもしれません。
この本の後に『前世療法』という似たようなタイトルの本が大量に出版されましたが、どれも模倣に過ぎないと感じます。それらの似たタイトルの本を山ほど読むより、まずはこの良書を読むべきと思います。

基本書と言っても内容はシンプルで読みやすいのでご安心を。
著者は医学博士ですが、輪廻転生を証明するために書かれた本ではないので、難しい理論や検証は省かれています。とにかく目の前で起きた事例を伝えることを最優先として書かれた体験記です。

内容紹介/
ブライアン・L・ワイス博士は米国の医学博士で、退行催眠による精神疾患の治療を行っていました。
※退行催眠療法:過去のネガティブな体験が疾患の原因となっている場合、退行催眠を施して原因を思い出させることにより治療を行うもの
ところがある時、どれほど幼い頃までさかのぼっても治療がうまくいかない女性患者がいました。困り果てたワイス博士は催眠中に、思わずこう指示します。
「(疾患の)原因となった時までさかのぼってください」
すると唐突に患者は古い時代へ戻り、過去世の記憶を語り始めたのでした……。

輪廻転生現象を全く信じていなかったワイス博士が、目の前で起きたことに狼狽しつつ信じざるを得なくなっていく過程が大変面白く、読み物としても秀逸です。
何より、一科学者としての誠実からこの現象を世に報告した勇気が素晴らしく感動を覚えます。
通常「科学者」という肩書で生活している人々なら、既存の科学という「科学界で定められた戒律」に盾突くことなどできず、戒律に反する現象は黙殺して封じ込めようとするはず。
この本を発表することは科学者としての信頼を損ね、生活できなくなる恐れもあったでしょう。それだけではなく、宗教上の理由から迫害され命が危険にさらされる可能性もありました。宗教による迫害の恐ろしさは、日本に住む我々が想像する以上だと思います。
それにも関わらず、プライドも恐怖もかなぐり捨て、科学者としての誠実を選びました。勇気ある行動だったと思います。
真の科学者とは彼のようにプライドも命の危険も顧みず、人間の作った戒律なども無視して目の前の現象を観察する人のことを言うのだろうと思いました。
(その観察による判断が正しいかどうかはまた別の問題。とにかく最初の時点で「現代科学の戒律に反するから」というだけの理由で切り捨てたり、理不尽な理屈で無理やり封じ込めようとしなかったのが素晴らしい。これが本来の意味での科学的態度でしょう)
この科学者としての公平な態度を目撃するために、輪廻転生現象を信じる人も信じない人も一読することをお勧めします。特に科学を志す人は見習っていただきたいです。

ちなみに筆者は、
「それまでその現象を全く信じていなかった人が、体験することで信じざるを得なくなった」
という展開の読み物が好みです。特に、頭の固い科学者などが自分で体験したことに狼狽しつつ、理詰めで信じざるを得なくなまで追い込まれる展開が好み。
何故なら、自分がそうであったゆえに。笑
この本を読んだときは、図々しいのですがワイス博士という仲間を発見した想いで嬉しかったのを覚えています。

なおこの本には、『前世療法』が万人向けではないこともきちんと解説されています。
お遊びの夢に浸る目的で前世療法の看板を掲げるカウンセラー(もどき)へ高い料金を払おうとしてしている人は、思いとどまるためにもこの本を隅々まで読んで理解すべきです。
この本を読んでもまだ、前世療法は甘い夢に酔う遊びなのだと思っている人がいるなら、よほど読解力がないのだと思います。

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