「自分らしく生きられなかった」とは、罪のカルマがあることではない
前ページ『あなたは前世で自分らしく生きたか?』について気になるご質問をいただきましたので、一ケースのみご説明させていただきます。ご質問メールから引用
カルミネート天体が月である場合、アセンダントと90度の場合もあります。初級講座の当該部分では、「月カルミネート:人と協力して事を成す運勢です。周囲とうまく調和出来るため、女性なら地域に溶け込む良い妻となるでしょう。」とありますが、 ある意味、前世に後悔する魂の解説としては腑に落ちにくいのですが、前世の自己評価とは無関係なのでしょうか?
上記が90度の場合、月のやり残した課題(或はカルマの刈り取り)を如実に示す太陽の位置とは、例えばどの位置なのでしょうか?
このご質問にはいくつかの誤解がベースにあるように思います。
順を追って誤解を分析して回答していきます。
1.前世で「自分らしく生きられなかった」人は、罪業を負う人ではありません
前世で後悔した魂が今世で他人と和合し楽しく生きることについて、「腑に落ちない」と仰ることが私にはどうしても腑に落ちず、しばらく理由を考えていました。考えていて気付きました。もしかしたら「前世について悔恨している」と言った時点で、多くの方は「罪人」のイメージを抱くのかもしれないと。
「前世で何か悪いことをした罪人だから他人に好かれ、明るい人生を送る資格はない」という反感イメージを持つのではないか?
もちろん文章のニュアンスから推測するに、上のご質問をくださった方は「罪人」とまでは思っていないでしょう。しかし少なくとも「生涯、悔恨で暗く下を向いて生きるはずの魂」というイメージは抱かれていることと思います。
いずれにしても、大変な誤解です。
このような誤解は差別を生みますので、悔恨している魂は罪人ではないのだと強く申し上げておきます。
(重大な差別の可能性について気付かせてくださった質問者様に感謝です)
まず基本的なところをご認識ください。
アセンダントと月が90度の人は、前世においてただ「自分らしく生きられなかった」ということに不満を覚えたまま亡くなった魂です。
罪人であったり、何か重大な失敗をするなどして、いわゆる仏教的な意味での「カルマ=罪業」を背負った人なのではありません。
悔恨を「カルマ」という言葉で括ると差別を生みますから、アセンダント×月の困難アスペクトは単に「不満」という言葉で置き換えて考えたほうが正しいと思います。
また太陽の方向による課題設定も、「カルマの刈り取り」と言うよりは「再チャレンジ」です。
「再チャレンジ」は広い意味であれば確かに「カルマの刈り取り」に含まれるのですが、一般の人が「カルマ」として思い浮かべるのはやはり狭い意味の「罪業」だと思いますので、ここでは避けたいと思います。
(「如実に示す太陽の位置」は「○○座」などと安易に述べられるものではないので、個人ごとホロスコープを解読してください。上級者の方なら理解できるはずです。例示は、前項の説明通りです)
今世で再チャレンジしようと生まれて来た魂には、他人と協調して生きる権利も、他人から好かれる可能性もあります。
たまたま前世で苦労したからと言って、今世までも生涯下を向いて暗く生きる必要など全くないのです。 アセンダントと月が困難アスペクトの皆さん、どうか今世では顔を上げて前を向いて生きてください。
2.カルミネート惑星は、他人からの恩恵や評価を表します
ご質問のうち、「前世の自己評価と(カルミネート惑星の運勢)は無関係なのでしょうか?」について。カルミネート惑星の象意と、性格を表す他の惑星象意とを混同されているように思います。
カルミネート惑星とはMC近くにある惑星ですから、当然ながらMCの「社会的評価」と関わるはずです。
つまり、他人からの恩恵や評価という社会的な運勢を表すものです。
極端に言ってしまえば、「本人の自己評価とは別問題」と言っても良いでしょう。他人からの評価は人生全般に影響しますので人格形成と全く無関係とは言いませんが。
さらに、本人の自己評価と社会的評価が激しく乖離してしまう人生も現実にあります。
たとえばカルミネート惑星の影響が大きいホロスコープの場合、本人の意志に逆らってカルミネート惑星の運勢が実現することがあります。
(意志に逆らっているようには見えても実は本人が生まれる前に承知した運命なのですが。 これこそが運命の自動修復機能がはたらいた結果、いわゆる「カルマの刈り取り」と呼ばれるものです。 生きている間の本人には理解できずとも、自分自身が過去にしたことの報い/善い報いも含む、を受けているのです。報いを受けることを生まれる前に自分で同意しています)
このような場合、嵐に翻弄される木の葉のように本人の自己評価とは無縁に次々と人生が展開していくことになります。
なお、カルミ惑星のホロスコープ全体への影響度はMCとの距離で測ります。
特にタイトなコンジャンクションでは「自己評価とは無縁の世間評価による翻弄」が起きやすくなります。
通常のカルミネート惑星であれば、MCが実現した後に運勢が発揮されるはずです。と言うことはこの時点で、「悔恨があった」魂も太陽の課題はクリアしているはずで、悔恨はなくなっていると考えられます。
★2018/10/1補足
ここで書いた「太陽の課題」は、ドラゴンヘッドで示されるカルマとバッティングするものではないはずです。
ヘッドで示されるのはあくまでも「過去、このようなカルマがあるので現人生が与えられた」という請求理由。太陽で示されるのは、そのカルマを返すために与えられた現世計画とエネルギー(スペック)です。
ややこしい話なので、分析が進んだらいずれ整理してご説明します。