今回はご質問を受けての回答です。
ネイタルホロスコープにあるセミヨッドについて
アセンダントが頂点のセミヨッドの解釈に悩んでいるのですが、吉野様はどのように解釈されますか。
解釈の一つの例として参考にさせていただきたいと思います。
セミヨッドの底辺は金星と冥王星です。
(※セミヨッドは60度と2つの30度で構成される二等辺三角形のことを指しています。
複合アスペクトの小三角よりも小型です。
吉野様のブログを拝読しましたところ、諸葛亮のネイタルにもありました。
水星、金星、土星で構成されています。
水星が頂点です。
ご存知でしたらすみません。)
ご質問ありがとうございます。
他ブログ記事の執筆で手が回らず、こちらは放置状態でした。アスペクトの細かい話も結局、書けずじまいでしたね。
せめてご質問いただいた件だけでも記事にしていきたいと思います。
セミヨッドとは?
まず「セミヨッド」とはどんなアスペクトか? という基本的なお話から。
ご説明の通り、ある惑星が30度ずつ二つの惑星に挟まれる形のアスペクトですね。両端二つの惑星が60度を構成する。
【セミヨッド】
セミヨッドは「ヨッドに準じる」が基本ですが…
セミヨッドの解釈は「ヨッドに準じる※」とされます。
つまり抗いがたい運命を表す代わりに、特殊な才能を発揮する場合もあるということでしょう。
ただしその象意はヨッドより少し緩やかになると思われます。
セミヨッドは頂点の惑星が30度に囲まれている状態。二惑星から150度(ハード)の制限を受けるヨッドに比べると、イージーで調和的な30度に見守られているわけですから、ネガティブな要素は緩くなることが想像できるでしょう。
※ハード・イージーアスペクトの解釈、ヨッドの解釈についてはこちらご参照ください。
“両親の見守り”と考えてみる
ご質問では私の解釈を問われていますのでお答えしますと、
「セミヨッドは厳しくも優しい両親の見守りみたいなもの」
と考えます。
幼い子供が歩き始めたとき、両親は子供が転んだとしてもしばらく助けずに見守ります。場合によっては「自分で立ち上がってしっかり歩け!」と叱咤するかもしれません。
ただし、もし子供が間違った方向へ歩き始めて穴へ落ちそうになったら注意して止めるでしょう。
このような、厳しくも温かい両親のような監護(かんご)がセミヨッドなのではないかと私は考えています。
子供から見れば愛情ある両親の見守りもうっとおしく感じるはず。それ故にセミヨッドにも不吉な要素があるかのように言われるのでしょうが、実は成長のために必要な教育を受けているだけだと考えれば前向きに受け止められるかもしれません。
「教育的指導」は時に厳しいことも
現実にセミヨッドを持つ方は思いがけない困難に遭うことがあるようです。
しかしそれも言わば「教育的指導」のようなもの。
後々振り返って考えてみれば困難な出来事で勉強になった・おかげで成長できたと気付かされることが多いのではと思います。
だから少しネガティブなことがあったとしても、すぐに自分の運命を呪うのではなく「指導を受けているのだ」と考えてみてください。誰でもそう考えたほうが良い人生となりますが、特にセミヨッド持ちの人は障壁がプラスに転じやすくなるはずです。
また、セミヨッドはヨッドと似て一つのことをやり続ける運命を持っているようです。これも本来の道から逸れたときにガイド霊が軌道修正しているのだと考えられます。
セミヨッドはヨッドの種か
もしかしたらセミヨッド持ちの方は今世、何か大事なカリキュラムを達成する計画で生まれてこられているのかもしれません。資格を得るための卒業試験中という感じでしょうか。それでガイド霊が身近に寄り添って常に見守り、アドバイスしているのかも。
いっぽうヨッドのほうは過去に難しいカリキュラムを終えた証というイメージ。まだ研修中ではありますが、一応何らかの資格を得たので今世では少しお仕事を担っているのだと思います。そのお仕事が地上の価値観だと困難に見えるので、「宿命に絡めとられる人」と呼ばれるのでしょう。
こう考えてくると、もしかしたらセミヨッドはヨッドの一歩手前、言わば「ヨッドの種」と言えるものかもしれません。
ただし前世のセミヨッド・トリオが今世のヨッドに――などと単純に表れるわけではないので、誤解されませんよう。もっと全般的な意味です。(運命計画はタイムマスターの高度計算による。小学校の算数のような単純計算で造られていない)
人によってはヨッドとセミヨッドの両方を持っているということもあると思います。この場合は社会人になってからも資格取得の勉強をしている人のように、勉強熱心な方だということですね。かなり“意識高い”魂なのだと想像します。
具体例で回答
最後に。もう少し具体的に、ご質問の件について考えてみます。
アセンダント×金星×冥王星のセミヨッド
アセンダントが頂点のセミヨッドの解釈に悩んでいる
セミヨッドの底辺は金星と冥王星
そうですね、アセンダント絡みということでなかなか難しい解釈になると思います。
占星術師の多くはアングルを惑星として重視していないのか、複合アスペクトに入れることを良しとしていません。このため、アセンダントを入れてのセミヨッドはネットにも解釈が転がっていないのではないでしょうか?
アングルを重視してきた私なりに考えますと、アセンダントというパーソナリティが発揮されるよう訓練されている(パーソナリティを活用する訓練)、のではと思います。
金星と冥王星に見守られているのですから、かなりパワーがあると考えられます。
金星は祝福、人々からの好意を得る。または芸術性・美を表す。
冥王星は権力や他者への影響力を表す。
というわけで、本来のキャラクターを活かして成功するように導かれる人生なのでは? と考えます。
あくまでも一つの可能性を申し上げますと、たとえば芸能や芸術関係で成功するよう仕組まれているのではないでしょうか。少々頑張らなければ達成できないカリキュラムとなると思いますが。
諸葛亮のセミヨッド
それはノーマークと言うか故意に無視しました……。(セミヨッドは)諸葛亮のネイタルにもありました。
水星、金星、土星で構成されています。
水星が頂点です
他の複合アスペクトのほうが重要と思われたため、情報のトリアージで細部は後回しとしたものです。まあ、諸葛亮のネイタルについて読者様はさほど興味ないでしょうから、そのような細かい話を延々としてもご迷惑だろうし。
【過去記事】諸葛亮のネイタルホロスコープを読む
「水星、金星、土星のセミヨッド」
は孔明の人生に何をもたらしたのでしょうかね?
逆に問いたいのですが、どう思われますか。
水星が頂点なので文才が磨かれたと考えれば、それなりに歴史で証明された気もします。賞賛(金星)もそこそこ得られましたが、少々お堅いイメージ(土星)に縛られてしまったのは否めませんかね。
後の世で遺書を地獄の徒に穢され、踏みにじられる結果となったのはさらなる試練でしょうか。
(このように関係ないふうを装って私が彼について解説するのも、今となっては痛々しい行いに見えるでしょう。お恥ずかしい)
最後に:個人的な呟き
セミヨッドについて、回答は以上です。他の芸能人などのケースはネットに数多く掲載されているため検索してみてください。
筆者の個人的な話を呟きますと、セミヨッドの結果であったらしいヨッドは今世のネイタルで、とてつもない方向の宿命を刻んでいます。残念ながら「文才」などという可愛いものではありません。とうてい自分には釣り合わない重荷で恐ろしく思います。「文才」であればまだ自分でも可能性を感じたかもしれないのですが。
(自惚れ発言をして申し訳ないです。実際、幼い頃には文才を大変褒められた事実があるため述べています。今世ヨッドで表される象意は、今のところ現実化していません)
筆者のようにあまりにも釣り合わない重荷は現実化しない場合もあるはずです。
なので、セミヨッドやヨッド持ちの方はあまり思い詰めないようにしてください。そもそもヨッドのたぐいは、「将来の逃れられない宿命」などと未来形で想像していると怖くなるもの。いずれ心を病むこともあろうかと思います。
だから「このアスペクトは過去に取得した資格証書なのだろう。今はペーパー資格だけど何か?」くらいの気持ちで、過去形にて開き直っていれば気が楽になるでしょう。笑
ネイタルはあくまでも過去の成績表+今世の計画表。よく言われている通り、計画は計画でしかありません。大事なのは行動することです。「その時」が来れば否応なしに動かされるでしょうから、ご心配なさらず。